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日本近代精神史の研究

日本近代精神史の研究

A5判 560ページ
価格:6,050円 (消費税:550円)
ISBN978-4-87698-444-2(4-87698-444-1) C3021
奥付の初版発行年月:2002年09月 / 発売日:2002年09月上旬

内容紹介

文学への止みがたい熱情を保持したまま日本近代史の深い森に果敢に分け入った著者は,政治と思想の切り結ぶところに精神のドラマを見,鮮やかな手つきでそれを摘出してきた.本書は,宣長から天皇論まで,江戸後期から明治期に至る日本近代の形成過程に焦点を当てて,その時代精神の有りようを追った論考16篇を収める.


目次

刊行にあたって  (阪上 孝)

第一部 近代精神と本居宣長
第一章 近代精神の成立過程
一 「維新精神」と「復古」の意味
二 「開化」精神の実態
第二章 宣長的感性の成立——キツトシタルハ実情ニアラス
一 問題の所在 
二 真淵との対立
三 「人間」の感性について 
四 宣長における「古代」
五 解体の危機——むすびにかえて
第三章 思考の様式——世界像への試み
一 はじめに 59 
二 感性の確立とその危機——宣長の場合 
三 『三大考』から篤胤へ——感性から「論理」へ
四 「好奇心」と「日常」と——都市知識人と民衆の発想
第四章 テキストとしての神話——本居宣長・上田秋成論争とその周辺
はじめに 
一 論争のきっかけ 
二 秋成・宣長論争 
三 宣長の世界 
四 秋成の世界 
五 一八世紀の論争がなげかけるもの
第五章 宣長の息づかい
第六章 篤胤のエネルギー

第二部 「維新」と「復古」の政治文化
第一章 「国民」の創出——国民文化の形成・序説
一 「国民」像と「ミッヅルカラッス」
二 「政府」の成立
三 国権と民権
第二章 内乱期の精神構造——忠誠心の変容
一 文久二年の意味
二 尊王攘夷と公武一和
三 暴発と反動
四 幕長戦争の思想的意味
五 戊辰の内乱 
第三章 征韓論の前提
一 一九世紀の「異国船」と「神功皇后」
二 「外交」成立への条件 
第四章 幸徳秋水の天皇像
第五章 宮崎夢柳の幻想——政治小説と「近代」文学・再論
はじめに
一 『鬼啾啾』の位置
二 「実事」と「理念」
三 政治小説の解体と『芒の一と叢』


第三部 天皇と近代日本研究
第一章 近代天皇像の展開
一 「天皇」の登場 
二 親政運動と天皇の「機関」化
三 「機関」「制度」から抜け出す天皇
第二章 明治天皇・「皇帝」と「天子」のあいだ——世界列強への挑戦
はじめに
一 国家構想の根源 
二 転換の始まり、岩倉具視と元田永孚 
三 伊藤政権の確立
第三章 天皇 前半と後半をつらぬくもの——数冊の本をてがかりに
第四章 第五議会における天皇の影——呪縛の構造の進行状況
一 はじめに 
二 「星亨衆議院議長不信任」一件
三 「上奏」とはなにか 
四 「勅問」にたいする議会

第五章 思想史研究における分析的方法
    ——松沢弘陽『日本社会主義の思想』に触発されて

解 説
第一部  「近代精神」の系譜 (安丸良夫)
第二部  国民国家の政治文化 (西川長夫)
第三部  天皇と近代日本研究 (松浦 玲)


凡 例
初出一覧
飛鳥井雅道略年譜
著作目録

索引


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