菌類の生物学 生活様式を理解する
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-87698-556-2 C3045
奥付の初版発行年月:2011年06月 / 発売日:2011年06月上旬
「黴臭い」「茸が生える」などの言葉が持つ暗いイメージの一方で、食品産業や製薬に大きく貢献する菌類は、どんな暮らしをしているのか?生活スタイルに注目しながら、菌類に関する基礎を網羅し、わかりやすく解説する。菌学、微生物学、生理学、植物病理学、生態学等の研究者だけでなく、初学者や理科教諭にもお勧めの菌類学の基本書。
D.H.ジェニングス(ジェニングス,D.H.)
リバプール大学 植物学名誉教授
専門:菌類生理学
著書:The Physiology of Fungal Nutrition(Cambridge University Press 1995)
Stress Tolerance of Fungi(編者Marcel Dekker 1993)
Serpula Lacrymans: Fundamental Biology and Control Strategies(編者John Wiley & Sons 1991)
The Ecology and Physiology of the Fungal Mycelium(編者Cambridge University Press 1984)
G.リゼック (リゼック,G)
前ベルリン自由大学植物系統学・植物地理学研究所教授
専門:菌類学
広瀬 大(ヒロセ ダイ)
日本大学薬学部助教
専門:菌類学
著書:『微生物資源国際戦略ガイドブック』(分担執筆,サイエンスフォーラム,2009),『微生物の生態学』(分担,共立出版,2011),『菌類の事典』(分担,朝倉書店,2011)
目次
用語集
巻頭言
謝辞
はじめに
第1部 菌類の生活様式
第1章 菌糸と菌糸の伸長
1.1 はじめに
1.2 菌糸体
1.3 先端生長ゾーン
1.4 吸収ゾーン
1.5 貯蔵ゾーン
1.6 老衰ゾーン
第2章 菌糸体
2.1 はじめに
2.2 仮想的な菌糸体
2.3 人工培地の表面および内部における拡張
2.4 空間的な境界を横切る
2.5 根状菌糸束
2.6 その他のタイプの菌糸体による転流
第3章 基質
3.1 はじめに
3.2 基質
3.3 植物の活物寄生菌とその宿主
第4章 養分
4.1 炭素
4.2 窒素
4.3 リンとイオウ
4.4 微量元素
4.5 堆肥化
4.6 代謝制御
4.7 天然由来ではない基質
第2部 菌類をとりまく環境
第5章 水分:乾燥に立ち向かう
5.1 はじめに
5.2 海生菌
5.3 好乾生菌類
5.4 地衣類
第6章 酸素とその欠乏
6.1 はじめに
6.2 「通常」の酸素分圧下での生活
6.3 微好気下での生活
6.4 嫌気条件と酵母
第7章 光を利用する
7.1 はじめに
7.2 光の作用
7.3 明暗のサイクル
7.4 光源の方向を利用する
7.5 光条件下での生長
第8章 極端な温度条件に耐える
8.1 はじめに
8.2 好冷菌と好氷雪菌
8.3 好熱菌
8.4 温度変化
8.5 温度耐性のメカニズム
第9章 競争:隣の生物と暮らす
9.1 はじめに
9.2 競争と生態的ニッチ
9.3 競争のタイプ
9.4 競争者
9.5 生活史戦略
9.6 戦略・淘汰・進化
第3部 菌類の繁殖
第10章 栄養相から特殊相へ
10. 1 はじめに
10. 2 二次代謝
10. 3 形態的な変化
第11章 核の挙動
11. 1 はじめに
11. 2 二核化
11. 3 擬似有性
第12章 胞子:分散のための繁殖体
12. 1 はじめに
12. 2 胞子のタイプ
12. 3 分生子
12. 4 分散と繁殖
第13章 胞子発芽:新たなコロニーのはじまり
13. 1 はじめに
13. 2 発芽の必要条件
13. 3 発芽に関係する環境要因
13. 4 発芽のプロセス
第14章 菌類と人間:われわれの生活様式との接点
付録A:菌類の5つの代表的な生活環
付録B:本書で出てきた菌類の属の分類
付録C:さらに勉強したい人のために
訳者あとがき