大地震とテクトニクス メキシコを中心として
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-87698-561-6 C3044
奥付の初版発行年月:2011年05月 / 発売日:2011年05月下旬
メキシコの地殻変動はこれまで日本に詳しく知られてこなかった。だが,プレートの潜航によって地殻活動が生じ,日本と似た特徴を有するなど,防災の観点から学ぶべき点は多い。中米地域防災プロジェクトへの従事,大地震発生メカニズムの解明を含む14年間に及ぶ国際共同研究を集成する。太平洋を越えて伝播する地殻活動への比較と考察。
三雲 健(ミクモ タケシ)
1953年京都大学理学部地球物理学科卒,
1958年同大学院理学研究科中退,理学部助手,
1960年理学博士,京都大学防災研究所助教授,
1961—1964年東京大学地震研究所,カリフォルニア工科大学地震研究所,カリフォルニア大学バークレイ校,各研究員,
1973年京都大学防災研究所教授,専門は地震学,固体地球物理学特に地震発生機構,地震テクトニクスなど,
1992年停年退官, 京都大学名誉教授.
この間1974—1975年地震学会委員長(現・日本地震学会会長),1985—1991年日本学術会議・地震学研究連絡委員会委員長.
1992—1998年JICA長期メキシコ派遣「地震防災プロジェクト」および地震学専門家,
1998—2006年メキシコ国立自治大学地球物理研究所教授,
1999年—日本地震学会名誉会員.
目次
まえがき(附:スペイン語地名)
凡 例
第1章 メキシコと中米地域のテクトニクス
1.1 プレート・テクトニクスから見たメキシコ—中米地域と日本列島
1.2 6500万年前のメキシコ
1.3 メキシコと中米地域のテクトニクス
第1章 用語の説明
第2章 メキシコと近接地域の大地震
2.1 古代の地震
2.2 16—18世紀の地震
2.3 19—20世紀の地震
2.4 内陸部およびBaja Californiaの大地震
2.4.1 内陸部
2.4.2 Baja California
2.5 プレートの沈み込みによる海溝型大地震
2.6 大地震のメカニズム
2.6.1 Jalisco-Colima地域
2.6.2 Michoacan地域
2.6.3 1985年Michoacan大地震
2.6.4 Guerrero-Ometepec地域
2.6.5 Oaxaca地域
2.6.6 Tehuantepec-Chiapas地域
2.6.7 プレート内地震
2.7 沈み込むプレートの形状
2.8 メキシコに隣接する中米地域の大地震
2.9 メキシコ東方のカリブ海北辺地域
第2章 用語の説明
第3章 メキシコの地震関係研究機関と観測網
3.1 CENAPREDメキシコ国立防災センター
3.2 UNAM-IGEFメキシコ国立自治大学地球物理研究所
3.3 UNAM-SSN地震およびGPS観測網
3.4 UNAM-IING工学研究所およびゲレロ加速度計観測網
3.5 CIRESメキシコ地震計測センター:早期地震警報システム
3.6 CICESEエンセナーダ科学研究・高等教育センター
3.7 RESCOコリマ大学地震観測網
3.8 メキシコの学会組織
3.9 中米地域の地震観測機関
第3章 用語の説明
第4章 研究ノート
4.1 大地震の断層の動的破壊過程
4.1.1 横ずれ断層型大地震の動的破壊過程
4.1.2 横ずれ型分岐断層の破壊
4.1.3 海溝型逆断層大地震の動的破壊過程と強震動の予測
4.2 プレート沈み込み帯での大地震間のストレス相互作用
4.2.1 プレート上面の逆断層型大地震間のストレス伝播の可能性
4.2.2 CocosおよびRiveraプレート上面に発生した一連の逆断層型大地震
4.2.3 プレート上面の逆断層型大地震とプレート内部に誘起された正断層型地震
4.3 断層の破壊に伴う応力降下時間と臨界すべり量の推定
4.3.1 従来の研究
4.3.2 震源時間関数からDcの近似値Dc窒フ推定
4.3.3 地殻内の横ずれ断層型地震とプレート内の正断層型地震の場合
4.3.4 断層近傍の観測波形からの直接の推定
4.4 断層面の破壊エネルギーと解放された地震エネルギーの見積もり
4.5 メキシコ太平洋岸のゆっくり滑りSSEと非火山性微動NVT
4.5.1 大地震空白域でのSSEの観測と解析
4.5.2 非火山性微動NVTの発生域
4.6 その他
第4章 用語の説明
第5章 まとめ
おわりに
謝 辞
参考文献
索 引