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世界へ/世界から『善の研究』の百年

『善の研究』の百年 世界へ/世界から

A5判 410ページ 上製
価格:4,620円 (消費税:420円)
ISBN978-4-87698-576-0 C3010
奥付の初版発行年月:2011年11月 / 発売日:2011年11月中旬

内容紹介

西田幾多郎の『善の研究』は、日本の哲学が自立した歩みを始めたことを示す記念碑的労作であり、以後の日本哲学に多大な影響を与えた。刊行百年を迎えるにあたり、日本および海外の研究者が結集して行ったシンポジウムを基に、『善の研究』がこれまでどのように読まれてきたのか、今後どのような意義をもつ書物なのかを明らかにする。

著者プロフィール

藤田 正勝(フジタ マサカツ)

1949年三重県生まれ。京都大学文学研究科教授。
専攻 日本哲学史
主な業績
『若きヘーゲル』(創文社)、『西田幾太郎ーー生きることと哲学』(岩波新書)、『西田幾太郎的現代思想』(中国河北人民出版社)、『西田幾太郎の思索世界ーー純粋経験から世界認識へ』(岩波書店)。『京都学派の哲学』(編著、昭和堂)、『田辺元哲学選』全四冊(編、岩波文庫)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき[赤松 明彦]

序 章 『善の研究』をめぐる研究の百年とその将来 [藤田 正勝]

第一部 『善の研究』はどういう書物か

第一章 『善の研究』という書物——著者・西田幾多郎の位相 [井上 克人]
第二章 純粋経験と意味 [日高 明]
第三章 経験をめぐって——西田幾多郎の「基礎づけ主義」 [張 政遠]
第四章 『善の研究』における独我論の論駁 [城阪 真治]

【アンソロジー】『善の研究』はどのように読まれてきたか [藤田 正勝]
柳 宗悦/高橋里美/倉田百三/芥川龍之介/戸坂潤/三木清/高坂正顕/林 直道/竹内良知/唐木順三/金子梅子/古田 光/北森嘉蔵/鈴木大拙/猪野謙二/アンセルモ・マタイス/寿岳文章/西谷啓治/上田閑照/久松真一/下村寅太郎/クラウス・リーゼンフーバー/高山岩男/中村雄二郎

第二部 『善の研究』と自由・悪・神の問題

第五章 『善の研究』と後期西田哲学——自由と悪の問題をめぐって [守津 隆]
第六章 西田幾多郎の倫理思想——絶対者の呼声をめぐって [太田 裕信]
第七章 西田「倫理学草案第一」における意志の自由とキャラクター
    ——ヴント、グリーン、ヘフディングの文脈において [中嶋 優太]
第八章 西田の神秘主義と神の概念の変化——晩年の西田宗教哲学への批判 [アンドレーア・レオナルディ]

【コラム】『善の研究』の諸相1
『善の研究』の翻訳(藤田正勝)/『善の研究』とデカルト(城阪真治)/『善の研究』とヘーゲル(守津 隆)/『善の研究』とW・ジェームズ(熊谷征一郎)/『善の研究』とベルクソン(日¥外字(8a2c) 明)/『善の研究』とT・H・グリーン(水野友晴)

第三部 西田哲学との対話

第九章 身体と種——西田哲学と田辺哲学 [竹花 洋佑]
第一〇章 京都学派の宗教哲学の一考察——西田哲学と田辺哲学の「逆対応」をめぐって [廖 欽彬]
第一一章 西谷啓治における経験と覚 [満原 健]
第一二章 善と道徳——西田幾多郎と新儒家 [林 永強]
第一三章 西田哲学と牟宗三の仏教的存在論 [朝倉 友海]

【コラム】『善の研究』の諸相2
『善の研究』と現象学(満原 健)/『善の研究』と禅(杉本耕一)/『善の研究』と親鸞(竹花洋佑)/『善の研究』とキリスト教(太田裕信)/『善の研究』と儒学(中嶋優太)

第四部 シンポジウム
    『善の研究』はどのような意味をもったか、どのような意味をもつか

第一四章 『善の研究』と西田哲学における失われた場所 [ジェームズ・ハイジック]
第一五章 哲学と神秘の間——海外より見た西田哲学 [遊佐 道子]
第一六章 西田における一性への志向——『善の研究』の宗教哲学的意義 [氣多 雅子]

特別寄稿 西洋哲学と東洋哲学との対話——哲学の中心はどこにもある/ない[李 光来]

まとめと展望 [藤田 正勝]

 あとがき[佐藤 昭裕]
 人名索引


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