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構成式・試験法・補強法地盤工学の新しいアプローチ

地盤工学の新しいアプローチ 構成式・試験法・補強法

A5判 326ページ
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-87698-615-6(4-87698-615-0) C3051
奥付の初版発行年月:2003年06月 / 発売日:2003年05月下旬

内容紹介

いま,「土のう」が注目されている.強度への再評価と免震性,通水性などの環境適性で,新しい人工地盤として見直されているからである.この工法の推進者が,あわせて,土の変形挙動を算出する世界標準の構成式,現場で容易にせん断試験ができる方法など,ユニークな視点から地盤工学の基礎から応用までの最新理論をわかりやすく解説する.

著者プロフィール

松岡 元(マツオカ ハジメ)

名古屋工業大学大学院教授 工学研究科社会工学専攻
1943年 福井県生まれ
1971年 京都大学大学院工学研究科博士課程単位取得
1971年 京都大学防災研究所助手
1973年 京都大学防災研究所助教授
1974年 工学博士(京都大学)
1976年 名古屋工業大学工学部助教授
1987年より現職
主な著訳書
『土質力学』(森北出版)1999年、ほか

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき

第1講 新たな土の弾塑性構成式――SMP 規準とCam-clay モデルの合体
 1.1 SMP(Spatially Mobilized Plane;空間滑動面)とは何か
   (1) 発想の源
   (2)複合滑動面(CMP;3個の2次元滑動面の総称)に基づいた応力~ひずみ関係
   (3)空間滑動面(SMP)に基づいた応力~ひずみ関係
 1.2 各種材料の破壊規準――SMP 規準の面白さ
   (1)金属と粒状体の破壊規準
   (2)金属と粒状体の中間材料に対する破壊規準
 1.3 Cam-clay モデルの要点35
   (1)Cam-clay モデルとは
   (2)Original Cam-clay モデルの要点
   (3)Modified Cam-clay モデルの要点
 1.4 SMP 規準とCam-clay モデルの合体――変換応力■の登場
   1.4の付録 提案モデルの弾塑性構成テンソル
 1.5 変換応力■に基づいた各種の弾塑性構成式
   (1)ダイレイタンシーを評価できる砂の弾塑性構成式
   (2)K0圧密地盤を対象とした粘土と砂の弾塑性構成式
   (3)不飽和土の弾塑性構成式
 1.6 まとめ
   参考文献

第2講 最も簡単な地盤の原位置せん断試験法――ロックフィル材から粘土まで
 2.1 土の強度は摩擦力
 2.2 新たな一面せん断試験機の発想
 2.3 室内小型簡易一面せん断試験
 2.4 室内大型簡易一面せん断試験
   (1)試料
   (2)試験方法
   (3)試験結果
 2.5 K 地点での原位置大型簡易一面せん断試験と室内大型簡易一面せん断試験の比較
   (1)試験と試験方法
   (2)試験結果と考察
 2.6 種々の現場における原位置大型簡易一面せん断試験
   (1)試料と試験方法
   (2)試験結果と考察
   (3)室内大型三軸圧縮試験結果との比較
   (4)摩擦の影響を除去する改良を施した室内大型一面せん断試験結果との比較
 2.7 高拘束圧下までの室内試験の検証を経た原位置大型簡易一面せん断試験
   (1)室内大型一面せん断試験と室内大型三軸圧縮試験
   (2)原位置大型一面せん断試験
 2.8 まき出し厚さ中央部での原位置大型簡易一面せん断試験
 2.9 粘性土への原位置小型簡易一面せん断試験の適用
   (1)人工圧密粘性土(藤の森粘土)を用いた小型簡易一面せん断試験
   (2)種々の現場における粘性土の原位置小型簡易一面せん断試験
 2.10 まとめ
   参考文献
〈付録〉粒子形状による粒状体の内部摩擦角の推定法
    ――肉眼や虫眼鏡によって砂、礫、ロックフィル材のφ 値を推定する
   付1.はじめに
   付2.粒子形状の定量化
   付3.内部摩擦角φd と凹凸係数FU の関係
   付4.おわりに
   参考文献

第3講 敵を味方につける地盤の補強法――性能表示された土のう(ソルパック)の活用
 3.1 何をいまさら「土のう」か
 3.2 「土のう」一体化工法(ソルパック工法)の発想と原理
 3.3 「土のう」の信じられない耐荷力、振動低減効果および凍上防止効果
   (1)「土のう」自体の強度とその算定式
   (2)「土のう」の振動低減効果
   (3)「土のう」の凍上防止効果
 3.4 「土のう」の強度・変形・摩擦特性
   (1)「土のう」積層体の強度異方性
   (2)「土のう」の引張強度
   (3)「土のう」の破壊強度式
   (4)「土のう」の変形特性
   (5)「土のう」間の摩擦試験
 3.5 「土のう」一体化工法の設計法
   (1)「土のう」積み盛土
   (2)「土のう」積み補強地盤の支持力
   (3)「土のう」積み擁壁
   (4)「土のう」積層体の変形・沈下
 3.6 「土のう」一体化工法の現場施工例
   (1)鉄道枕木の下に「土のう」を設置した現場施工例
   (2)建物基礎の下に「土のう」を設置した現場施工例
   (3)「土のう」積み杭の現場施工例
   (4)「土のう」積み擁壁の現場施工例
   (5)「土のう」を活用したアーチトンネル覆工
 3.7 まとめ
   参考文献

索 引


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