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西欧13世紀哲学の諸概念水とワイン

水とワイン 西欧13世紀哲学の諸概念

A5判 234ページ
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-87698-646-0(4-87698-646-0) C3010
奥付の初版発行年月:2005年02月 / 発売日:2005年01月中旬

内容紹介

13世紀,創設されたばかりの大学においてアリストテレス哲学が隆盛しようとしていた.これに対して,水(哲学)をワイン(聖書)に混ぜてはいけないとして,教会側から1277年に 219箇条に及ぶ厳しい禁令が出され,哲学と神学・教学の深刻な対立は頂点に達した.シゲルス,ボナヴェントラ,トマス・アクィナスらの対応を検証するなかで,哲学とは何かを問う.


目次

序 章 水とワイン
 1節 哲学と神学
 2節 一二七七年のパリ禁令の問題
 3節 本書の目的と方法

第1章 一二七七年の禁令の問題
 1節 研究状況の概観
 2節 「七〇年代の危機」の歴史的経緯
  (1)一二六〇年代までの状況
  (2)急進的アリストテレス主義の登場
  (3)一二七〇―七七年の経緯
 3節 一二七七年禁令「序文」と二重真理説

第2章 急進的アリストテレス主義の哲学
 1節 「二重真理」への対処法
 2節 シゲルスにおける哲学と信仰
  (1)「アリストテレスの見解を語りながら」
  (2)哲学的論拠の蓋然性
  (3)哲学的論究の自律性
 3節 ダキアのボエティウスの立場
  (1)『世界的永遠性について』の議論構成
  (2)哲学者とキリスト教徒のあいだ
 4節 哲学とキリスト教の教えの分離主義

第3章 ボナヴェントゥラと哲学
 1節 『命題集注解』における神学の本質的規定
 2節 哲学の不完全性とは何か
 3節 後期諸著作における哲学
 4節 自閉的な侍女としての哲学

第4章 アクィナスと哲学
 1節 神学の学問性
 2節 哲学と神学の学問的知識としての相違
 3節 神学による哲学の使用
 4節 哲学の濫用とその自律

第5章 哲学としての神学
 1節 三つの哲学観
 2節 合理性と哲学


あとがき
付 録
 (1)関連年表
 (2)一二七七年の禁令の序文
文献表
索 引


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