田中秀央 近代西洋学の黎明
価格:4,730円 (消費税:430円)
ISBN978-4-87698-650-7(4-87698-650-9) C3021
奥付の初版発行年月:2005年03月 / 発売日:2005年04月上旬
我が国初の日羅辞典を編纂した田中秀央.その自伝と膨大な書簡類には,明治-大正-昭和の知識人の知のうねりとネットワークが,克明に刻まれている.市河三喜,土居光知,その師ケーベルやローレンス,そして穂積陳重,高津春繁……西洋学の礎を創った人々の暈気を生き生きと伝える史料は,単なる文学史を超えて高等教育の在り方を示す.
菅原 憲二(スガハラ ケンジ)
現 職:千葉大学文学部教授
専 門:日本近世史
1947年、広島県生まれ。
1979年、京都大学大学院文学研究科博士課程国史学専攻単位取得退学、愛媛大学法文学部助教授、千葉大学文学部助教授を経て、1996年より現職。
[主要著作]
『宇和海浦方史料――三浦田中家文書』全4巻、臨川書店、2001~2004年。
「日本近世都市会所論の試み」『日本社会の史的構造 近世・近代』(朝尾直弘教授退官記念会論集、思文閣出版)1995年。
「近世初期の町と町入用――天正~寛永期・京都冷泉町を中心に」『京都町触の研究』(京都町触研究会編、岩波書店)1996年。
飯塚 一幸(イイヅカ カズユキ)
現 職:佐賀大学文化教育学部助教授
専 門:日本近代史
1958年、長野県生まれ。
1988年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、国立舞鶴工業高等専門学校講師を経て、1996年より現職
[主要著作]
「日清戦後の地方制度改革――府県制郡制改正をめぐる政党と官僚」『史林』(第79巻第1号)、1996年。
「明治中後期の知事と議会」『日本史研究』(488)、2003年。
西山 伸(ニシヤマ シン)
現 職:京都大学大学文書館助教授
専 門:日本近現代史
1963年、兵庫県生まれ。
1993年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、京都大学文学部助手を経て、2001年より現職。
[主要著作]
「第三高等中学校における「無試験入学制度」」『地方教育史研究』(第23号)、2002年
目次
口 絵
凡 例
第一部 田中秀央自叙伝『憶い出の記』
I 幼年時代
II 小学生時代
III 高等小学生時代
IV 中学生時代
V 高等学校時代
VI 大学生時代
VII 東大卒業後一二年の東京生活
VIII 京都生活
IX 京都生活中の内職
X 現住所
XI 京都女子大学生活
XII 今日此頃の生活
第二部 史料編
1 追悼文・回想文
1 市河三喜「ケーベル先生について
2 田中秀央「榊先生を憶ふ」
3 市河三喜「ある友人の話」
4 田中秀央「論語についての追憶」
5 田中秀央「三高時代の思い出」
6 「南予の群像<31>田中秀央」
7 田中秀央「佐伯好郎先生の追憶」
8 田中秀央「John Lawrence先生と市河三喜博士」
9 土居光知「駒込時代の市河君」
10 松平千秋「田中秀央先生と日本の西洋古典学」
2 田中秀央宛書簡
1 浅野長武 / 2 天野貞祐 / 3 市河三喜 / 4 市河晴子
5 岩下壮一 / 6 岩波茂雄 / 7 荻原井泉水 / 8 尾高豊作
9 落合太郎 / 10 金田一京助 / 11 久保 勉 / 12 高津春繁
13 佐伯好郎 / 14 渋沢敦子 / 15 渋沢敬三 / 16 渋沢信雄
17 新村 出 / 18 末松謙澄 / 19 田辺 元
20 土井林吉(晩翠) / 21 土居光知 / 22 朝永三十郎
23 西田幾多郎 / 24 野上豊一郎 / 25 波田野精一
26 春木一郎 / 27 穂積歌子 / 28 穂積重遠 / 29 穂積仲子
30 穂積陳重 / 31 和辻哲郎
第三部 解説
1 田中秀央文書の概要と『憶い出の記』 菅原憲二
2 田中秀央の人的ネットワークと学問的業績 飯塚一幸
3 大学史資料としての『田中秀央関係資料』 西山 伸
田中秀央 業績目録
謝辞/図版提供・出典一覧
索 引