タンパク質の結晶化 回折構造生物学のために
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-87698-657-6(4-87698-657-6) C3045
奥付の初版発行年月:2005年03月 / 発売日:2005年04月上旬
創薬,医薬開発の分野における構造生物学の重要性は日に高まっている.しかし,タンパク質をはじめ回析実験に供する生体高分子を良質な単結晶に調製するのは簡単ではない.第一線で活躍する多数の研究者の執筆で,生体高分子の生産,単離精製から結晶化までを,基礎知識と原理,最新の技術や研究を盛り込んで解説.生命科学必携の一冊.CD-ROM付.
坂部 知平(サカベ ノリヨシ)
高エネルギー物理学研究所名誉教授
相原 茂夫(アイバラ シゲオ)
京都大学大学院農学研究科
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
『タンパク質の結晶化』の刊行にあたって 坂部知平・相原茂夫
この書物を読むにあたって読者へのお願い
第1部 これから結晶化を学ぶ人のために
第1章 結晶と回折構造生物学
1-1 タンパク質の結晶をつくる――歴史と展望 森田雄平
1-2 回折構造生物学ってなに? 安岡則武
第2章 タンパク質結晶とは――結晶成長メカニズム
2-1 タンパク質の結晶成長機構 小松 啓
2-2 タンパク質結晶成長論の展開 安宅光雄
第3章 タンパク質結晶化の前に――試料の取り扱い方
3-1 遺伝子組換えによる試料の生産 松崎尹雄
3-2 クロマトグラフィーによる試料の分離精製 永田宏次・田之倉優
3-3 タンパク質試料の定量、純度検定、一次構造確認
永田宏次・田之倉優
第4章 タンパク質結晶化の実際
4-1 結晶化の方法
溶解度と結晶化剤――なぜ結晶になるのか 相原茂夫
結晶化の手法と特徴 伊中浩治
4-2 試料の性質にあわせて結晶化法を考える
可溶性タンパク質の結晶化 相原茂夫
膜タンパク質の結晶化 竹田一旗・三木邦夫
糖タンパク質の結晶化 片山高嶺・山本憲二
超分子複合体の結晶化 藤田千鶴子・月原冨武
核酸の結晶調整 近藤次郎・竹中章郎
第2部 良い結晶をつくるために
第5章 高純度タンパク質の調整と生産
5-1 クローニングと大量培養 森田洋行・河野俊之
5-2 コムギ胚芽無細胞タンパク質合成法 澤崎達也・遠藤弥重太
5-3 膜タンパク質の可溶化と単離・精製 足立収生
第6章 どんなタンパク質が良い結晶になるか
6-1 溶液中の分子種のサイズと形態――動的光散乱法
サイズと形態の観測と解析原理 網島良祐
溶液中のタンパク質の結晶化能の解析 加藤博章
6-2 フォールディングとアグリケーション――NMR法
河野俊之
第7章 目的に合わせて結晶を育成する
7-1 シーディングによる結晶の育成 杉山 成・伊中浩治
7-2 レーザー照射によるタンパク質結晶の育成と加工
安達宏昭
7-3 相図に基づいた結晶の育成 新村信雄
7-4 そーキングと享結晶化 山根 隆
第8章 位相決定のためにつくる結晶
8-1 重原子置換体の調整 山根 隆
8-2 セレノメチオニン置換タンパク質の調整と結晶化
前河友紀・田中 勲
8-3 抗体との複合体試料の調整と結晶化 黒木良太・玉田太郎
第9章 結晶を冷却する
9-1 低温実験はなぜ必要か 中迫雅由
9-2 数10K温度領域で実験するには 中迫雅由
第10章 ロボットによるハイスループット結晶化
10-1 大規模タンパク質結晶化システム 平木雅彦・加藤龍一・
若槻壮市
10-2 蒸気拡散法を用いた全自動タンパク質結晶化・観察システム
引間孝明・村上公秀・
木村祐二・鈴木俊昭・
神谷信夫
10-3 実験室レベルでのハイスループット結晶化
渡邊信久
第11章 特殊環境条件下での結晶化
11-1 宇宙で結晶をつくる
微少重力下での結晶化 相原茂夫
これまでの宇宙実験の概要とこれから 高橋幸子・田仲広明
高品質タンパク質結晶の生成と宇宙実験例 伊中浩治
11-2 磁場中で結晶をつくる 佐崎 元
第3部 結晶を評価する
第12章 タンパク質の結晶成長を観察する
12-1 結晶成長メカニズムのミクロ観察 栄 龍
12-2 タンパク質結晶の光学顕微鏡を用いた表面観察
佐崎 元
第13章 結晶の性質を調べる
13-1 結晶の形態を調べる 松浦良樹
13-2 タンパク質結晶化に関連した光学顕微鏡の応用
小松 啓
13-3 X線回折による結晶の評価 久野玉雄・三木邦夫
付録A
付録B
参考文献
『タンパク質の結晶化』の編集をおえて 相原茂夫
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