電磁場生命科学
価格:5,060円 (消費税:460円)
ISBN978-4-87698-663-7(4-87698-663-0) C3047
奥付の初版発行年月:2005年10月 / 発売日:2005年10月中旬
携帯電話や高圧送電線などの電磁場が人体へ及ぼす影響に,多くの人から関心が注がれるようなっている.しかし,世の中に流れる言説には,いたずらに恐怖を煽ったり,注意を促す主張をよく吟味せずに妄説と切り捨てたり,いずれにせよしっかりした研究による基礎を欠いたものが多い.そのような現状を改め,科学的な影響評価の指針を示す。
目次
はじめに [宮越順二]
第1章 背景と概要 [宮越順二]
第2章 電磁場の物理・工学的基礎 [多氣昌生・鈴木敬久]
2.1 電磁場の物理的性質
2.2 電磁場と物質
2.3 電磁場の曝露とドシメトリ
2.4 電磁場の物理量と単位
第3章 生体関連物質 [岩坂正和]
3.1 物質の電磁場応答
3.2 水
3.3 酸素,低分子
3.4 生体高分子機能
3.5 磁場配向
第4章 微生物と細胞の基礎 [池畑政輝・中原岳久]
4.1 微生物の基礎
4.2 細胞・DNA・遺伝子の基礎
4.3 細胞周期・突然変異・アポトーシス
第5章 微生物(バクテリア・酵母)
5.1 変異原性と助変異原性 [池畑政輝]
5.2 突然変異の誘発と活性酸素産生 [米井脩治・張 秋梅]
5.3 遺伝子発現への磁場作用の検索 [池畑政輝]
5.4 走磁性・磁気泳動 [岩坂正和]
第6章 遺伝子・細胞 [宮越順二・中原岳久]
6.1 細胞増殖細胞数
6.2 染色体異常・小核形成・DNA鎖切断
6.3 突然変異
6.4 遺伝子発現
6.5 シグナル伝達
6.6 ギャップジャンクションとトランスフォーメーション
6.7 外的要因(放射線,化学物質)の修飾効果
第7章 高周波と細胞 [宮越順二]
7.1 細胞増殖とその関連
7.2 遺伝毒性
7.4 オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)活性
7.5 遺伝子発現
7.6 トランスフォーメーション
第8章 ショウジョウバエ [小穴孝夫・池畑政輝・高島良生]
8.1 ショウジョウバエの遺伝学
8.2 突然変異試験法
8.3 突然変異の誘発とその特徴
第9章 哺乳類 [重光 司]
9.1 自然環境電磁場と生体
9.2 人工環境電磁場と生体
9.3 電磁場と生態系
第10章 植 物 [滝本晃一・重光 司]
10.1 植物の基礎
10.2 電場や磁場に対する植物の生理応答
10.3 空気イオン・直流電場と植物
第11章 疫 学 [山口直人]
11.1 疫学の基礎
11.2 電磁場の発ガン影響に関する疫学研究
第12章 医療応用
12.1 骨折治療 [宮越順二]
12.2 循環調節 [大久保千代次・岡野英幸]
12.3 ハイパーサーミア [松木英敏]
12.4 生体組織工学 [岩坂正和]
12.5 再生医療 [宮越順二・櫻井智徳]
第13章 防護指針・規制とその国際動向 [多氣昌生]
13.1 防護指針とその歴史的経緯
13.2 防護指針の考え方
13.3 電磁場の防護指針
13.4 リスク管理と予防的措置
附録 国際ガン研究機関(IARC)の電磁場発ガン影響評価 [宮越順二]
まとめと将来展望 [宮越順二]
引用文献
索 引