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「大臣・大連制」についての再検討朝鮮・中国と日本 古代大臣制

朝鮮・中国と日本 古代大臣制 「大臣・大連制」についての再検討

A5判 442ページ
価格:6,380円 (消費税:580円)
ISBN978-4-87698-706-1 C3021
奥付の初版発行年月:2007年01月 / 発売日:2007年01月下旬

内容紹介

有効な国内史料を欠くためほとんど研究対象とされていない「大化前代」の官制形成史を,朝鮮・中国の史料を視野に入れながら再検討する.本書のねらいは,わが国独自の政治形態とされる「大臣・大連制」を考察の対象として,朝鮮三国と中国の官位制と「大臣制」の共通牲に注目することで,「大化前代」の政治体制を明らかにすることにある.

著者プロフィール

黒田 達也(クロダ タツヤ)

大阪府立工業高等専門学校・総合工学システム学科教授
1952年生まれ。
1974年 京都大学文学部史学科(国史学)卒業、
1980年 京都大学大学院文学研究科博士課程(国史学)退学、
2003年 京都大学博士(文学)
主要著書・論文
『古代の天皇と系譜』(校倉書房、1990年)、「丹波関係系譜についての一考察」(大阪府立工業高等専門学校『研究紀要』35、2001年)、「雄略関係系譜についての再検討
(Ⅰ)——その本来の父母を中心として」(大阪府立工業高等専門学校『研究紀要』36、2002年)など

上記内容は本書刊行時のものです。

目次



第一部 「大臣・大連制」についての疑問

第一章 日本古代の「大臣」

はじめに
一 「臣」の訓み
二 「臣」の『紀』における用法
三 「大臣」の訓み
四 『紀』における大臣・大連の配置
むすび

第二章 「崇仏論争」をめぐって

はじめに
一 「崇仏論争」関係記事の位置付け
二 崇仏論争
むすび

第三章 六世紀中葉前後の大和政権の権力形態
はじめに
一 物部氏関係の伝承
二 物部氏と和珥氏
三 大伴氏関係の伝承
四 「大連」をめぐって
五 和珥氏と蘇我氏
むすび

第二部 朝鮮・中国の制と「大臣制」

第四章 新羅の「十七等」官位制
はじめに
一 新羅官人の官位の降下
二 「十七等官位」
むすび

第五章 孝徳朝前代の倭国の権力形態と朝鮮三国の制
      ——「大臣—マヘツキミ制」の源流
はじめに
一 高句麗の官位制
二 高句麗の権力形態
三 百済の官位制
四 百済の権力形態
五 新羅の権力形態
六 朝鮮三国の権力形態と「大臣—マヘツキミ」制——むすびにかえて

第六章 天武朝の官制をめぐって
はじめに
一 太政官
二 納言
三 納言・太政官・大弁官・「六官」の相互関係
四 朝鮮三国の官制と天武朝の官制 ——むすびにかえて

第七章 中国古代の「大臣」
はじめに
一 「大臣」を含む表現
二 二千石官の品階の変遷
三 「大臣」の実例
むすび

第八章 百済の中央官制
      ——その源流をめぐって
はじめに
一 「六佐平」と北周の官制
二 「二十二部司」について
むすびにかえて

第三部 「大臣制」成立前史
       ——説話の中の大臣・大連と和珥氏——

第九章 五世紀中葉〜六世紀中葉の政治過程と大臣・大連
はじめに
 一 継体〜欽明期の紀年問題
二 雄略〜武烈の紀年問題
三 舒明〜斉明期の紀年
四 五世紀中葉〜六世紀中葉の大和政権の有力氏族
五 大臣・大連関係記事
むすび

第十章 説話から見た和珥氏
Ⅰ 皇族反乱伝承と王統譜
はじめに
一 タケハニヤスヒコの反乱説話
二 タギシミミの乱と王統譜
三 和珥氏と皇族反乱伝承
四 サホヒコの乱
五 マユワの変
むすびにかえて

Ⅱ 地方平定伝承
はじめに
一 地方平定者をめぐって
二 「四道将軍」の派遣と和珥氏
三 地方平定説話の形成
むすびにかえて

Ⅲ 木梨軽皇子伝承
はじめに
一 木梨軽皇子の関係系譜
二 物部氏の伝承の位置付け
三 木梨軽皇子と孝徳天皇・大友皇子
むすび

終 章 「大臣制」の形成とその変遷
はじめに
一 「大臣制」の形成
二 二員大臣制
むすび

あとがき


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