内容紹介
本書は,わが国におけるプラトン研究の第一人者と目されている著者が,長年の研鑽のもとに著したギリシア哲学研究である.ソクラテス,ソフィスト,プラトン,アリストテレスが取りあげられているが,中心はプラトンの哲学であり,その目指すところは,真理,価値の絶対性の否定するソフィスト的な立場の打破である.
著者プロフィール
小池 澄夫(コイケ スミオ)
滋賀大学教育学部教授
1949年 長野県生まれ
1979年 京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
1984年 滋賀大学教育学部講師を経て現職
主な著訳書
『コピー』現代哲学の冒険(共著、岩波書店)
『ソクラテス以前の哲学者断片集』(共訳、岩波書店)
イソクラテス『弁論集』1〜2(京都大学学術出版会)
目次
第1部 風景
第1章 ソクラテスとソフィスト・弁論家たち
第2章 プラトン
第2部 測量
第3章 魂と消滅 --- 『パイドン』 の 魂不死論証の周辺
第4章 想起(アナムネーシス)
第5章 イデア ・ 原範型の消息
第6章 「分割法」 考案----プラトン後期対話篇への視点
第7章 脱喩化の途
第8章 洞窟の世界
第9章 「自然主義のドグマ」との対決
第3部 迂回
第10章 〈私〉
第 11章 技術知
第12章 エピステーメーとテクネー