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オセアニア学

オセアニア学

A5判 592ページ 上製
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-87698-789-4 C3030
奥付の初版発行年月:2009年10月 / 発売日:2009年10月下旬

内容紹介

太平洋に点在するポリネシア,メラネシア,ミクロネシアの3つの島嶼群とオーストラリア大陸からなる本地域は,地球表面積の3分の1近くを占める.地政学的な重みと少ない人口とのアンバランスが産み出す可能性と課題を,日本オセアニア学会が総力をあげて描き尽くす.ゼロ年代における地域研究の最前線.

著者プロフィール

吉岡 政德(ヨシオカ マサノリ)

神戸大学大学院国際文化学研究科教授,日本オセアニア学会会長.オセアニアの社会人類学的研究.

遠藤 央(エンドウ ヒサシ)

京都文教大学人間学部教授.ミクロネシア,マレーシアの社会人類学的研究.

印東 道子(イントウ ミチコ)

国立民族学博物館民族社会研究部教授.オセアニア(特にミクロネシア)の考古学,文化史研究.

梅﨑 昌裕(ウメザキ マサヒロ)

東京大学大学院医学系研究科准教授.パプアニューギニアにおける人類生態学・国際保健学.

中澤 港(ナカザワ ミナト)

群馬大学大学院医学系研究科准教授.パプアニューギニアとソロモン諸島での人類生態学的研究.

窪田 幸子(クボタ サチコ)

神戸大学大学院国際文化学研究科教授.オーストラリアを中心とする先住民の文化人類学的研究.

風間 計博(カザマ カズヒロ)

筑波大学大学院人文社会科学研究科准教授.オセアニアの経済,ディアスポラ等の人類学的研究.

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序[吉岡政德]

第I部 人類の移動と居住戦略

総  論[印東道子]
第1章 ヒトからみた移動と拡散[片山一道]
第2章 東南アジアからオセアニアへの拡散と居住戦略[小野林太郎]
第3章 島嶼部への拡散と居住戦略[野嶋洋子・印東道子]
第4章 言語にみる歴史と環境[菊澤律子]
第5章 先史時代の交易[根岸 洋・片岡 修]
コラム ラピタ土器[石村 智]

第Ⅱ部 環境と開発

総  論[梅﨑昌裕]
第1章 高い島と低い島——歴史生態学の視点から[山口 徹]
第2章 生業の多様性とその変容[小谷真吾]
第3章 開発と環境保護[古澤拓郎]
第4章 社会開発と自然環境—オセアニア島嶼の「個別性」[関根久雄]
第5章 自動車の普及と社会変容——島嶼のグローバル・テクノスケープ[川村千鶴子]
コラム 海面上昇に対する認識—ツヴァル離島部の人々の視点から[小林 誠]

第Ⅲ部 身体と病い

総  論[中澤 港]
第1章 子どもの成長にみる大きな地域差[河辺俊雄]
コラム 成長に影響する生態学的条件—パプアニューギニア2集団の比較[河辺俊雄]
第2章 環境と身体の多様性—成長・栄養とライフスタイル[山内太郎]
第3章 生活習慣病と倹約遺伝子[稲岡 司]
第4章 社会不安と健康[中澤 港]
第5章 伝統医療と近代医療[白川千尋]
第6章 援助と健康教育—ソロモン諸島におけるマラリア対策の事例考察[川端眞人]
第7章 海外移住の人口学[小西祥子]
コラム 老いと文化[福井栄二郎]

第Ⅳ部 植民地化と近代化

総  論[遠藤 央]
第1章 キリスト教化の歴史[石森大知]
第2章 日本統治下の南洋群島[千住 一・棚橋 訓・飯髙伸五]
第3章 国際政治と安全保障
   —マーシャル諸島の現代政治史とアメリカ合衆国の安全保障政策[黒崎岳大]
第4章 紛争と政治的混乱—アフリカ化論の批判的検討を通じて[丹羽典生]
第5章 国民経済と出稼ぎ移民—グローバル化のもたらす近代性と贈与交換[風間計博]
第6章 先住民運動とメディア[深山直子・伊藤泰信]
コラム メラネシア研究と空間論的転換[田所聖志]

第V部 文化とアイデンティティ

総  論[窪田幸子]
第1章 観光と「伝統文化」[中村純子]
第2章 芸術とアイデンティティ[安井眞奈美・小西潤子]
第3章 文化の復興と創造[後藤 明・内藤暁子・桑原牧子]
第4章 ジェンダーと社会—メラネシアの伝統を生きる女性たち[馬場 淳]
第5章 文化的アイデンティティと国家[柄木田康之]
第6章 ポリネシアの言語とアイデンティティ[塚本晃久]
第7章 メラネシアにおける言語とアイデンティティ[大角 翠]
コラム ヤップ・デイ[駒井洋子]

索  引

跋[遠藤 央]


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