萌芽する科学技術 先端科学技術への社会学的アプローチ
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-87698-798-6 C3040
奥付の初版発行年月:2009年11月 / 発売日:2009年11月中旬
新しい科学技術はしばしば専門家を除いて理解が難しく,イメージが独り歩きしやすい.他方,イメージが社会における科学技術のあり方を決めることも事実である.日々マスメディアや書籍に躍る言葉は,どのように新しい科学技術のイメージを形づくるのか.テキストから現われるイメージの分析手法と適用例,流儀を論じたハンドブック.
山口 富子(ヤマグチ トミコ)
1995年バース大学社会科学科開発学修士,2004年ミシガン州立大学社会学部博士課程修了(社会学).現在,国際基督教大学教養学部准教授.
著作
「萌芽期の科学技術を取り巻く社会的文脈の考察:ナノテクノロジーを事例に」『科学技術社会論研究』(第6巻,2008年),「科学技術をめぐる言説論的アプローチの展望」『国際基督教大学社会科学研究所モノグラフシリーズ』(No.12, 2007年),Goldman, M. 『緑の帝国』(監訳,京都大学学術出版会,2009年),鼎hanging Social order and the Quest for Justification: GMO Controversies in Japan*, Science, Technology, and Human Values, forthcoming in 2010, 鼎ontroversy over Genetically Modified Crops in India: Discursive Strategies and Social Identify of Farmers*, Discourse Studies, Vol.9, 2007, 典he Economic Hegemonization of Bt Cotton Discourse in India*, Discourse and Society, 15 (2), 2004. ほか.
日比野 愛子(ヒビノ アイコ)
2001年京都大学総合人間学部基礎科学科卒業,2006年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了.博士(人間・環境学).専攻は,社会心理学,グループ・ダイナミクス.現在,日本学術振興会特別研究員.
著作
「リスク・データの解析」『新リスク学ハンドブック』(2009年).「バイオテクノロジーをめぐるメディア言説の変遷」『科学技術社会論研究』(第5号,2008年).「ヒトクローン技術の規制をめぐる政治的言説の分析」『科学技術社会論研究』(第3号,2004年). 鄭 Graphical Representation of Nuclear Incidents/Accidents by Associating Network in Nuclear Technical Communication*, Journal of Nuclear Science and Technology, Vol.45, 2008. 釘iotechnology in the Japanese Media and Public*, In Bauer and Gaskell (eds.), Genomics and Society, Earthscan, chapter 14, 2006. ほか.
目次
はじめに
第 I 部 萌芽する科学技術の捉え方
第1章 「語り」の研究とは?
はじめに
1.1 「語り」とは?
1.2 「語り」が現れる場
1.3 言説分析・内容分析・データマイニングの特徴
第2章 言説分析からの接近—「読み解く」—
2.1 言説分析の意義
2.2 研究プロセス
2.3 研究の準備
2.4 研究の実施
2.5 アートとしての分析へ
第3章 内容分析からの接近—「可視化する」—
はじめに
3.1 内容分析の眼差し
3.2 内容分析のマッピング
3.3 内容分析の進め方:バイオテクノロジーに関するメディア報道を事例として
3.4 「見えないもの」の探索へ向けて:課題と展望
第4章 データマイニングからの接近—「抽出する」—
はじめに
4.1 科学計量学の方法
4.2 解析の手順:データベースの使い方から解析の仕方まで
4.3 生命科学研究における解析例:Emerging Topicsを抽出する
読書案内
第 II 部 萌芽する科学技術とは
第5章 萌芽する科学技術の群像
はじめに
5.1 萌芽的科学技術(Emerging Technology)の定義
5.2 萌芽的科学技術の分類:過去から現代へ
5.3 安全・安心
5.4 医療・生命・生命倫理
5.5 資源・エネルギー
5.6 経済・産業
5.7 知識・情報(脳科学(BMI))
5.8 萌芽的科学技術の新たな展開「ナノテクノロジー」
5.9 「萌芽期」をどう捉えるか:技術開発と時間軸
5.10 近年の新たな問題点
第6章 生命科学者の語り
6.1 「作る,伝える」 語り:鎌田博
6.2 「ビジョンを描く」 語り:上田泰己
おわりに
謝辞
索引