学術選書027
生物の多様性ってなんだろう?
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-87698-827-3 C1345
奥付の初版発行年月:2007年08月
生き物の「形」は,他の生き物たちとの「関係」のなかでいかに作用しているのか? 生き物と環境の「関係」を「分子」から探ると何が見えてくるだろうか? 「分子」から「人間活動」が環境に及ぼす影響を理解するには? 「人間活動」は「生態系」のなかでどのように位置づけられるのか? 地球に暮らす多様な生物の不思議な世界に生態学が迫る.
目次
はじめに—生物多様性の不思議な世界への招待[大串隆之]
Ⅰ 形の章 なぜ花は美しいのか? 形からみえる植物と動物の多様な共進
第1節 昆虫を誘惑する花たち—花の多様性を読み解く[酒井章子]
第2節 種子散布の生態学[湯本貴和]
コラム1 研究者、木に登る[酒井章子]
より深く学ぶために—読書案内
Ⅱ 関係の章 風が吹けば桶屋が儲かるか? 生物間相互作用ネットワーク
第1節 ヤナギをめぐる虫たちの相互作用ネットワーク[大串隆之]
—生物多様性を生み出すしくみ
第2節 生物の多様性を生み出すメカニズムとその理論[山内 淳]
第3節 意外なところに潜む間接効果[高林純示]
—生態学的三者系と情報ネットワーク
コラム2 五万匹のテントウムシにマークをつける[大串隆之]
より深く学ぶために—読書案内
Ⅲ 分子の章 分子解析生態学がとき明かす生物多様性のメカニズム
第1節 ミツバチのリズムと時計遺伝子[清水 勇]
第2節 魚類の多様性とオプシン遺伝子[源 利文・清水 勇]
第3節 あなたの同位体はいくつ? [陀安一郎]
—同位体でわかる生物のつながり
より深く学ぶために—読書案内
Ⅳ 人間活動の章 身近なところにある生物多様性
第1節 琵琶湖の生物多様性—過去、現在、そして、未来[奥田 昇]
第2節 里山の重要性[椿 宜高]
第3節 里山生態系と草原生態系の新しい危機[藤田 昇]
コラム3 トンボと日本人[椿 宜高]
より深く学ぶために—読書案内
Ⅴ 生態系の章 生態系の多様性 その秘密を解き明かすアプローチ
第1節 熱帯降雨林の生態系[北山兼弘・潮 雅之・和穎朗太]
—樹木と土壌微生物の協奏曲
第2節 微生物の海 [永田 俊・茂手木千晶]
—海洋生態系における微生物群集の働きと多様性
より深く学ぶために—読書案内
引用文献
本書の歩き方—読み終わった翌日に読んでもらいたい「あとがき」[高林純示]
索 引