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宇宙と素粒子のなりたち

学術選書063
宇宙と素粒子のなりたち

四六判 174ページ 並製
価格:1,650円 (消費税:150円)
ISBN978-4-87698-863-1 C1342
奥付の初版発行年月:2013年08月 / 発売日:2013年08月上旬

内容紹介

ゆらぎの支配する世界から,時空間や物質-エネルギーはいかにして生まれたのか。場の量子論・ひも理論の概念的発展とともにいくつもの素粒子を予測・確認してきた素粒子物理学の成果が,宇宙の始まりを探求する上でも重要な役割を果たしている。ミクロとマクロの両極にあるかに見える二つのテーマをむすぶ究極の理論とはいかなるものなのか。二十世紀の物理学を振り返りつつ,二十一世紀の物理学を展望する。

著者プロフィール

糸山 浩司(イトヤマ ヒロシ)

大阪市立大学大学院理学研究科数物専攻教授。Ph。D。
1956年生まれ,東京大学理学部物理学科卒業,米国コロンビア大学大学院修了,フェルミ国立加速器研究所研究員,ニューヨーク州立大学理論物理学研究所研究員,大阪大学大学院理学研究科助教授を経て,現職。
主な著作
『変貌する超弦理論』(パリティ,丸善,2001年)

横山 順一(ヨコヤマ ジュンイチ)

東京大学大学院理学系研究科附属ビッグバン宇宙国際研究センター教授。東京大学理学博士。
1967生まれ,東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程中退。
東京大学助手,フェルミ加速器研究所研究員,京都大学基礎物理学研究所助教授,大阪大学助教授などを経て現職。
主な著作
『電磁気学』(講談社,2009年)
『宇宙の向こう側』(共著,青土社)
『宇宙論Ⅰ宇宙のはじまり(第二版)』(共著,日本評論社,2012年)

川合 光(カワイ ヒカル)

京都大学大学院理学研究科物理学第二教室教授。東京大学理学博士。
1955年生まれ,東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。
米国コーネル大学リサーチアソシエイト,アシスタントプロフェッサー,東京大学理学部助教授,高エネルギー研究所教授を経て,現職。理化学研究所仁科加速器センター主任研究員を兼務。
主な著作
『量子力学I・II』(共著 講談社,1994年)
『はじめての〈超ひも理論〉』(共著,講談社,2005年)
『量子の世界』(共著,京都大学学術出版会,2006年)

南部 陽一郎(ナンブ ヨウイチロウ)

シカゴ大学名誉教授,大阪市立大学名誉教授。理学博士(東京大学)。
1921年生まれ,東京帝国大学理学部卒。
大阪市立大学理工学部助教授,同教授,プリンストン高等研究所研究員,シカゴ大学助教授,同教授を歴任。
2008年ノーベル物理学賞受賞。
主な著作
『クォーク(第2版)―素粒子物理はどこまで進んできたか』(講談社,1998年)
『大学院素粒子物理(1)―素粒子の基本的性質』(中村誠太郎編,共著,講談社,1997年)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第Ⅰ章 対称性の自発的破れと素粒子物理 [糸山浩司]
1 はじめに
2 「対称性の自発的破れ」とは
3 物質の階層性と素粒子
4 人間が自然界を理解してきたやり方
5 「力」の理解
6 「対称性の自発的破れ」と現代の素粒子物理学
7 南部理論から素粒子の電磁・弱標準理論へ
8 「真空」の歴史
9 超対称性の自発的破れ
10 終わりに

第Ⅱ章 宇宙の始まる前 [横山順一]
1 「宇宙」という言葉
2 ものさしを変えて見る―日常の物理と宇宙の物理
3 ニュートンが考えた宇宙
4 アインシュタインの相対性理論
5 膨張する宇宙
6 宇宙の始まりと宇宙の果て
7 インフレーション

第Ⅲ章 究極理論に向けて―超ひも理論の展望 [川合 光]
1 自然科学の発展のしかた
2 基本的な粒子と相互作用
3 標準模型
4 相互作用の統一
5 重力と他の三つの力の大きさの違い
6 発散の問題の歴史
7 ひも理論とは
8 弦の非摂動効果
9 究極の理論に向けて

第Ⅳ章 二十世紀の物理から二十一世紀の物理へ [南部陽一郎]
1 はじめに
2 アインシュタインの二十世紀
3 現代物理学の地平と展望
4 おわりに ―二十一世紀の物理とは何か

謝 辞
索 引


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