サイトカインハンティング 先頭を駆け抜けた日本人研究者たち
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-87698-973-7 C3047
奥付の初版発行年月:2010年06月 / 発売日:2010年06月下旬
科学史の表舞台は輝かしい業績に彩られているが、それは成功への一本道ではない。背後には試行錯誤や苦闘を伴っている。種々のサイトカインの発見は,医療への応用や生命科学の発展に大きく寄与するものであり,世界中の「ハンター」たちが鎬を削っている.表舞台からはわからない研究の現場を歴史の立会人たちが闊達に語る。
目次
まえがき
第1章 プロローグ[宇野賀津子・米原 伸・松島 綱治]
1 はじめに
2 インターフェロン研究の夜明け(1954〜1960年)
3 サイトカイン発見の夜明け —免疫を動かす液性因子の存在(1960〜1979年)—
4 分子としてサイトカインをとらえる —タンパク質の精製(1970〜1980年)—
5 臨床応用への道(1970〜1980年)
6 分子としてサイトカインをとらえる —遺伝子の単離,遺伝子組換え標品の作製(1979年〜1990年)—
7 ケモカイン(1987年〜1990年代)
8 そして今
サイトカインハンティング 年表
第2章 インターフェロン
1 ウイルス抑制因子(インターフェロン)発見当時の動向 [小島 保彦]
2 インターフェロン蛋白質の精製と分子種の同定[川出 由己]
3 インターフェロン遺伝子の発見とその後の進歩[谷口 維紹]
4 IFN-aのクローニング [長田 重一]
5 医薬品インターフェロン-βの開発 [成瀬 紀男]
6 ウイルスRNAセンサーRIG-Iの発見 [米山 光俊・藤田 尚志]
7 インターフェロン誘導のTLR経路 [瀬谷 司]
8 CpGDNAの発見 [山本 三郎]
第3章 インターロイキン-2
1 リンパ球増殖性サイトカインの発見の経緯について [笠倉 新平]
2 インターロイキンの初めての同定(IL-2の同定) [羽室 淳爾]
3 インターロイキン-2レセプターa鎖同定とクローニング —ATL〜IL-2R〜ADF/TRX— [淀井 淳司]
4 インターロイキン-2レセプターβ鎖の同定とクローニング [畠山 昌則]
5 インターロイキン-2レセプター(IL-2R)γ鎖の同定とクローニング [竹下 敏一]
第4章 インターロイキン-3,-4,-5
1 インターロイキン(IL)-4,IL-5のクローニング [木梨 達雄・本庶 佑]
2 DNAXにおけるサイトカインハンティング [新井 賢一]
3 インターロイキン-3受容体ファミリーのcDNAクローニング [宮島 篤]
4 インターロイキン-4受容体 [原田 登之]
5 IL-5ハンティング [高津 聖志]
第5章 インターロイキン-6
1 インターロイキン-6ハンティング [平野 俊夫]
2 インターロイキン-6阻害薬による治療と病態解析 —岸本グループによる我国初,世界に発信した抗体製薬の開発—[吉崎 和幸]
3 インターロイキン-6 —基礎研究から臨床まで 免疫学40年— [岸本 忠三]
第6章 IL-12とIL-18
1 IL-12の精製単離とクローニング —Dr. Bice Perussia, MD(1950-2006)への衷心からの哀悼の想いを込めて— [小林 路子]
2 IL-18の昔と今 [岡村 春樹]
3 IL-18-Th1とTh2応答を活性化するユニークなサイトカイン-[中西 憲司]
第7章 ケモカイン
1 ケモカインのプロトタイプ,IL-8とMCAF/MCP-1の発見物語 [松島 綱治]
2 新規ケモカイン群の発見 [義江 修]
3 シグナルシークエンストラップ法の樹立とSDF-1クローニング [田代 啓]
第8章 G-CSF, Fas
1 G-CSFからFasへ [長田 重一]
2 アポトーシス誘導レセプターFasの発見と同定 [米原 伸]
第9章 遺伝子改変マウス [岩倉洋一郎]
1 大腸菌分子生物学から哺乳類の発生学へ
2 IFN,そしてHIVトランスジェニックマウスの作製
3 サイトカインノックアウトマウスの作製
4 HTLV-I-トランスジェニックマウスから関節リウマチ発症機構の解析へ
あとがき
参考文献
索 引