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アフリカ地域研究と農村開発

アフリカ地域研究と農村開発

菊判 420ページ 上製
価格:5,170円 (消費税:470円)
ISBN978-4-87698-989-8 C3036
奥付の初版発行年月:2011年02月 / 発売日:2011年03月中旬

内容紹介

いわゆる「アフリカ的停滞」は,本当に「停滞」なのか? アフリカの自然,社会特性を緻密かつ大規模なフィールドワークからあぶり出し,その特性—最小生計努力と平準化傾向—を生かした「アフリカ的発展」「アフリカ型農村開発」を目指す,地域研究からの開発アプローチ.グローバル資本主義に対する,地域からの,実践的・学問的な反撃.

著者プロフィール

伊谷 樹一(イタニ ジュイチ)

京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科准教授

掛谷 誠(カケヤ マコト)

京都大学名誉教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

口 絵
巻頭地図

序 章 アフリカ的発展とアフリカ型農村開発への視点とアプローチ[掛谷 誠]
1 農村開発に挑む
2 トングウェの生計経済
3 変容するベンバの生活
4 エキステンシブな生活様式と内的フロンティア世界
5 「情の経済」と「モラル・エコノミー」
6 アフリカ的な集約化と地域発展
7 マテンゴ高地における開発実践
8 アフリカ型農村開発へのアプローチ

第1部 多様な地域発展—7ヵ村の事例研究

第1章 「ごみ捨て場」と呼ばれる畑 [樋口浩和・山根裕子・伊谷樹一]
     −−ウルグル山東斜面の事例
1 ウルグル山と商品作物
2 タンザニア独立後の政策の動向と村の生活
3 多様な生態環境
4 ごみ捨て場ジャララの役割
5 2つのジャララ
6 2種類の商品作物
7 慣習的な土地保有制度
8 慣習的な土地保有制度と永年作物栽培の普及
9 土地問題とジャララ

第2章 農村の発展と相互扶助システム [近藤 史]
    −−タンザニア南部ンジョンベ高原のキファニャ村の事例から
1 互助労働と地域発展
2 地域の概要
3 ベナの農業
4 農業の改良を支える互助労働
5 農業の集約化と内発的発展

第3章 氾濫原の土地利用をめぐる民族の対立と協調 [加藤 太]
    −−キロンベロ谷の事例
1 注目を集める湿地・氾濫原の利用
2 調査地の概要
3 キロンベロ谷の生態環境
4 稲作の特徴と変遷
5 土地利用の変遷と民族間関係
6 氾濫原におけるポゴロとスクマの住み分け・対立・協調

第4章 タンザニア・ボジ県の農村 [山本佳奈・伊谷樹一・下村理恵]
1 湿地開発をめぐる住民の対立と折り合い
2 ミオンボ林の利用と保全
3 水田稲作の発展プロセスにおける先駆者の役割

第5章 ザンビア・ベンバの農村 [杉山祐子・大山修一]
1 「ベンバ的イノベーション」に関する考察
2 ザンビアにおける新土地法の制定とベンバ農村の困窮化

第2部 農村開発の実践

第6章 タンザニア・マテンゴ高地 [伊谷樹一・黒崎龍悟・荒木美奈子・田村賢治]
1 ムビンガ県マテンゴ高地の地域特性とJICAプロジェクトの展開
2 「ゆるやかな共」の創出と内発的発展
3 住民の連帯性の活性化
4 マテンゴ高地における持続可能な地域開発の試み

第7章 タンザニア・ボジ県ウソチェ村 [神田靖範・伊谷樹一・掛谷 誠]
1 半乾燥地における水田稲作の浸透プロセスと民族の共生
2 ウソチェ村における農村開発の構想と実践

第8章 タンザニアにおける農村開発活動の実践についての一考察 [勝俣昌也]
    −−日本における農業研究成果の生産現場への普及と比較して
1 研究成果と実践
2 SUAメソッドと日本における生産現場への普及の比較
3 タンザニアにおける実践活動の一構図
4 日本における農業研究成果の生産現場への普及の一構図
5 「内と外をつなぐ者」の存在

終 章 アフリカ型農村開発の諸相 [掛谷 誠・伊谷樹一]
    −−地域研究と開発実践の架橋
1 地域発展の諸特性
2 アフリカ農村の開発実践をめぐる諸特性

あとがき
索 引


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