性差についてのカントの見解 Immanuel Kant zur Geschlechterdifferenz : aufklärerische Vorurteilskritik und bürgerliche Geschlechtsvormundschaft
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-88125-149-2(4-88125-149-X) C3010
奥付の初版発行年月:2004年06月
保守的な女性観を持つとされてきたカントの「遺稿」や「メモ」を丹念に探ると、別の新しいカント像が浮上する。著者はカントの女性観の変遷を辿り、その交友についても調べ、彼の性差の見解を考察する。
U. P. ヤウヒ(ヤウヒ,U. P.)
1959年生まれ
1987年 博士号取得
1996年からチューリッヒ大学私講師
2003年 同大学哲学・文化史科教授
主な著作
『淑女の哲学と男性の道徳―修道僧ジェラルドからマルキ・ド・サドまで』Passagen-Verlag, Wien, 1990.
『機械の彼方へ―ラメトリーにおける哲学と皮肉と美学』Carl Hanser Verlag, München, 1998.
『バーナード・マンデヴィル―悪辣な公的売春宿への論難書』Carl Hanser Verlag, München, 2001.
『ホモ・ルーデンス―人間,そして演者』Publikation in der Schriftenreiche der BAnk Vonlobel, Zürich, 2001. 他
菊地 健三(キクチ ケンゾウ)
1946年 秋田県生まれ
1981年 専修大学大学院博士後期課程修了。同大学専任講師。
1990年 同大学教授
主な著作
『近代的人間の現況』(共著)勁草書房,1986年。
『ジル・ドゥルーズの試み』(共著)北樹出版,1994年。
『美は無根拠か?』(共著)大明堂,1996年。他
目次
序章 問題の地平としての啓蒙と偏見批判
第1章 文献におけるカント像―「女性にいんぎんな先生」,多面的に女らしさを論ずる理論家,あるいは家父長的アンチ・フェミニスト
第2章 カントの「女性論」における方法について―「分析学」としての人間学から「実用的見地における人間学」へ
第3章 「女性」を論じる以前のカントの女性観―女性の「学識」との最初の出会い
第4章 女性なるものへの体系的アプローチー『美と崇高』
第5章 自己啓蒙と性的後見
第6章 両性間における平等原理へのアプローチ
第7章 カント、ヒッペルおよび『女の市民的改善』