人と時代と経済学 現代を根源的に考える
価格:2,640円 (消費税:240円)
ISBN978-4-88125-166-9(4-88125-166-X) C1033
奥付の初版発行年月:2005年12月
独自の思想と時代認識に立った著名な経済学者6人を取り上げて、現代を考える上での問題や視座を考察する。アダム・スミス時代、マルクス原蓄論、ウエーバーの苦悩、ケインズがやったこと、ポランニー「生の充足」論、ハイエクの新自由主義。
原田 博夫(ハラダ ヒロオ)
1948年生まれ 慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
[現職]専修大学経済学部教授
「地方自治の公共選択」『入門公共選択(改訂版)』三嶺書房,1999;勁草書房,2005。「地域経済と財政構造」『現代財政のフロンティア』東洋経済新報社,1992。他
酒井 進(サカイ ススム)
1947年生まれ 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
[現職]専修大学経済学部長・教授
『時代と学門 ― 内田義彦著作集補巻』(編著)岩波書店,2002。「ある織元の生涯と著作 ― 評伝ウィリアム・テンプル1・2・3」『専修経済学論集』39巻3号,2005;40巻1号,2005;40巻2号,2005。他
内田 弘(ウチダ ヒロシ)
1939年生まれ 横浜国立大学経済学部専攻科修了 博士(経済学・専修大学)
[現職]専修大学経済学部教授
『経済学批判要綱の研究』新評論,1982;「新版」お茶の水書房,2005。"Marx for the 21st Century", ed., Routledge, 2005.他
八林 秀一(ヤツバヤシ シュウイチ)
1946年生まれ 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
[現職]専修大学経済学部教授
『20世紀ドイツの光と影』(共著)芦書房,2005。「ワイマール期ドイツ経済体制・経済政策史をめぐって ― 『ボルヒャルト論争』覚書」『土地制度史学』127号,1994。他
吉田 雅明(ヨシダ マサアキ)
1962年生まれ 京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学 博士(経済学・京都大学)
[現職]専修大学経済学部教授。
『ケインズ 歴史的時間から複雑系へ』日本経済評論社,1997。「マルチ・エージェント・ベースの経済学」『経済学の現在1』日本経済評論社,2004。他
内山 哲朗(ウチヤマ テツロウ)
1950年生まれ 一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学
[現職]専修大学経済学部教授
『労働者協同組合の新地平 ― 社会的経済の現代的再生』(共著) 日本経済評論社,1996。『社会的企業 ― 雇用・福祉のEUサードセクター』(共訳)日本経済評論社,2004。他
宮本 光晴(ミヤモト ミツハル)
1948年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学 博士(経済学・専修大学)
[現職]専修大学経済学部教授
『変貌する日本資本主義』ちくま新書,2000。『企業システムの経済学』新世社,2004;ハングル版 Hangulbooks Publisher 2005。他
目次
はじめに 原田博夫
第1章 アダム・スミス 人と時代と経済学 酒井 進
はじめに
1 アダム・スミス小伝
2 同感の倫理学
3 『富国論』 ― パラダイムの転換 (1)
4 『富国論』 ― パラダイムの転換 (2)
5 新しい豊かさと人間に向けて
第2章 マルクスと21世紀 マルクス原蓄論の理論的射程 内田 弘
1 マルクスとグローバリズム
2 マルクス原蓄論と現代
3 望月清司のマルクス原蓄論分析
4 中国の土地所有と経済開発要素
5 黒瀬論文における中国原蓄
6 西口論文における「スモール・ワールド」論
7 イギリス経済史における「スモール・ワールド」の事例
8 『ドイツ・イデオロギー』の原蓄論
第3章 ウェーバーの苦悩 近代のアポリア 八林秀一
1 イントロダクション
2 「近代主義者」ウェーバーと「近代への懐疑」を抱いたウェーバー
3 近代そのものへの懐疑
4 ウェーバーの個人史から
5 ウェーバーの研究活動から
6 総力戦としての第一次世界大戦
7 ウェーバーの「官僚制化」批判
8 真の政治指導者
9 将来展望
第4章 ケインズの盛衰と辺境からの反撃 吉田雅明
1 マクロ経済学の事情
2 『一般理論』形成史研究の事情
3 ケインズが言ったこと vs. ケインズがやったこと
4 ケインズがやったこと
5 長期的にみればわれわれはみな死んでしまう!
6 『貨幣改革論』から『貨幣論』へ
7 『貨幣論』にはどんなこと書かれているのか
8 『一般論』に向けて
9 ケインズのやったことは結局どういうことなのか
10 ルーズに結合されたシステム
11 おわりに
第5章 ポランニーの「生の充足」論 内山哲朗
はじめに
Ⅰ K. ポランニーと現代
Ⅱ 「社会と経済の関係」認識
Ⅲ 社会的経済と<社会の自己創出>運動
おわりに
第6章 ハイエクの新自由主義 その光と影 宮本光晴
はじめに
1 ハイエクをめぐる思想状況
2 さまざまなリベラルの形
3 自由とルール
4 ハイエクの市場競争論
5 二つの個人主義
6 自由主義の課題