マイノリティ女性のアイデンティティ戦略 「母親性」の役割
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-88125-245-1 C3036
奥付の初版発行年月:2010年02月
被差別カテゴリーに属するマイノリティ女性は自己解放が困難であることを明らかにし、インタビューによるライフヒストリーを例示して、情緒的一体性つまり「母親性」が差別への対抗力をつけることを可能にする点を明らかにしていく。
服部 あさこ(ハットリ アサコ)
1978年神奈川県生まれ 専修大学文学部人文学科卒 専修大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(社会学)。
専門:教育社会学,マイノリティ問題。
目次
はじめに
第1章 複数の被差別カテゴリーに属する
主体としてのマイノリティ女性
1―1 本研究における差別の考え方
1―2 被差別の可能性をもつ主体のアイデンティティ
1―3 マイノリティ女性をめぐる問題
第2章 日本におけるマイノリティのライフヒストリー研究
2―1 先行研究
2―2 ライフヒストリーの信頼性,代表性問題
第3章 部落出身女性のライフヒストリー
事例1 戦略的対応を身につける
事例2 差異の虚構性の告発
事例3 押し付けられたカテゴリーのとらえ返し
事例4 仲間との歩みで育まれた強いアイデンティティ
第4章 在日コリアン女性のライフヒストリー
事例5 在日コリアンを可視化させる「きっかけ」づくり
事例6 戦略としての民族文化
事例7 同じ痛みを共有する仲間の重要性
第5章 ライフヒストリーにみる困難の様相と自己解放の過程
5―1 差別的なまなざしの認知と内面化
5―2 マイノリティの中のマイノリティとしての困難
5―3 対抗する言説集団の獲得
第6章 「母親性」の影響
6―1 世代性の語り
6―2 情緒的一体感の表明
6―3 「母親性」の影響
参考文献
あとがき