日中戦争期における汪精衛政権の政策展開と実態 水利政策の展開を中心に
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-88125-284-0 C3022
奥付の初版発行年月:2014年02月 / 発売日:2014年02月下旬
日本軍占領下で成立した汪精衛政権は、淮河の堤防修復工事や、灌漑事業などを行った。著者はそこに注目し、事業の特徴を検討して、政権が増水被害や食料不足の解消に努めたことをあげている。
小笠原 強(オガサワラ ツヨシ)
1979年、岩手県釜石市出身。
2002年、帝京大学文学部史学科卒業。
2004年、専修大学大学院文学研究科歴史学専攻修士課程修了。
2010年、専修大学大学院文学研究科歴史学専攻博士後期課程単位取得退学。
2013年、博士(歴史学)取得。
共著:
田中正敬・専修大学関東大震災史研究会編
『地域に学ぶ関東大震災 千葉県における朝鮮人虐殺その解明・追悼はいかになされたか』
(日本経済評論社、2012年、冒頭文・第一部第一章担当)
論文・資料:
「汪精衛政権行政院からみた政権の実態について-機構・人事面から-」(『専修史学』第38号、2005年)
「汪精衛政権の水利政策-安徽省淮河堤修復工事を事例として」(『中国研究月報』第61巻10号、2007年10月)
「千葉県における関東大震災と現代-共同研究の概要と目的』(『専修史学』第45号、2008年)
「『周仏海日記』にみる対日和平論の変遷」(『専修史学』第48号、2010年3月)
「調査者とともにたどる関東大震災朝鮮人虐殺事件の地域(3) 船橋市営馬込霊園・船橋無線塔記念碑をあるく」(『専修史学』第49号、2010年)
目次
序論
第1章 汪精衛政権概史
第1節 日中戦争の勃発と「汪兆銘工作」(1937年7月~1940年3月)
第2節 汪精衛政権の成立から対米英戦まで(1940年3月~1942年)
第3節 汪精衛政権の対米英戦から政権解体まで(1943年~1945年)
第2章 汪精衛政権の政権構想-周仏海の政権構想から-
第1節 周仏海について
第2節 汪精衛政権成立前の対日和平論-1937年~1939年
第3節 汪精衛政権成立後の対日和平論
第3章 汪精衛政権の水利政策の概要
第1節 水利政策の執行機関
第2節 水利政策の概要
第4章 安徽省淮河堤防修復工事
はじめに
第1節 民国期の淮河と日中戦争による被害
第2節 汪精衛政権による淮河堤防修復工事(1)-淮河北岸工事
第3節 汪精衛政権による淮河堤防修復工事(2)-淮河南岸工事
第5章 江蘇省呉江県龐山湖灌漑実験場「接収」計画
はじめに
第1節 汪精衛政権と食糧問題と龐山湖灌漑実験場
第2節 1940年~1941年の「接収交渉」
第3節 龐山湖灌漑実験場の「接収」と汪精衛政権のよる管理
第6章 三ヵ年建設計画(1)-「蘇北新運河開闢計画」-
第1節 汪精衛政権に「戦時体制」と「三ヵ年建設計画」による水利政策の転換
第2節 「蘇北新運河開闢計画」
第7章 三ヵ年建設計画(2)-東太湖・尹山湖干拓事業
はじめに
第1節 「東太湖浚墾」事業の開始
第2節 事業の展開
第3節 事業の再開と1945年以降の尹山湖
結論