抑圧と余暇のはざまで 芸術社会学の視座と後期東ドイツ文学
価格:2,860円 (消費税:260円)
ISBN978-4-88125-300-7 C3036
奥付の初版発行年月:2016年02月 / 発売日:2016年03月下旬
いかにして芸術を社会学的に分析することができるのか。「社会の反映」として、または「社会の外側」にあるものとして考察する。
矢崎 慶太郎(ヤザキ ケイタロウ)
1985年 東京都生まれ。
2007年 専修大学文学部人文学科卒業。
2015年 専修大学大学院文学研究科博士後期課程修了。
専門分野 芸術社会学
目次
はじめに
<第1部 芸術社会学の視座>
第1章 芸術の社会学的アプローチ
1.社会の反映としての芸術
2.社会の外部にある芸術
3.社会の内部にある芸術
4.芸術の反映としての社会
第2章 コミュニケーションとしての芸術
1.自我による思い込みとしてのコミュニケーションとその接続
2.芸術におけるコミュニケーションのメディアとコード
3.芸術の組織とスタイル
おわりに
第3章 芸術の社会的機能―多様性の観察と娯楽
1.多様性の観察
2.芸術と機能分化
3.娯楽と抑圧
おわりに
<第2部 アンダーグラウンド文学の自律化>
第4章 アンダーグラウンド文学の組織とスタイル
1.文学のための(非公開)組織
2.方法としての「言葉遊び」
おわりに
第5章 芸術意欲の成立―「つまらない」現実から「楽しい」言葉遊びへ
1.「沈黙」の消極的受容
2.世界への無関心から芸術への関心へ―芸術の二値コードの確立
3.「幻想」世界の誕生―非日常への視点
おわりに
第6章 アンダーグラウンド文学における反省
1.「内/外」の区別―芸術の境界線の確立
2.政治からの離脱
おわりに
<第3部 東ドイツにおける余暇と抑圧>
第7章 労働社会における余暇のはじまり
1.「労働社会」としての東ドイツ
2.消費の高まりとその抑制
おわりに
第8章 余暇と芸術の要求運動
1.労働ノルマ増大への抗議―1953年6月17日暴動
2.娯楽要求としての“All you need is beat”―ライプツィヒ・ビートデモ
3.芸術家たちのプロテスト―ビーアマン事件
おわりに
第9章 精神的抑圧としての監視と検閲
1.作家と権力―ユートピアの約束
2.自己検閲とシュタージ
おわりに
結論
引用文献
あとがき