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秦漢時代における皇帝と社会

秦漢時代における皇帝と社会

A5判 219ページ 上製
価格:2,860円 (消費税:260円)
ISBN978-4-88125-303-8 C3022
奥付の初版発行年月:2016年02月 / 発売日:2016年03月下旬

内容紹介

中国古代の皇帝制度の形成について、主に地理的・空間的な支配・把握の様相とその変遷も含めて、皇帝と一般民との接点となる政策から皇帝支配の正当性についての問題とその質的な転換を探ることを試みる。

著者プロフィール

福島 大我(フクシマ タイガ)

1978年、大阪府生まれ。
2012年、専修大学大学院文学研究科歴史学専攻博士後期課程単位取得退学。
2015年、博士(歴史学)取得。現在、神奈川県立高校非常勤講師。

【主要業績】
「前漢後半期における皇帝制度と社会構造の変質」(『専修史学』42号、2007年)、「秦・前漢初期における国家と亡人」(東洋文庫中国古代地域史研究 編『張家山漢簡『二年律令』の研究』東洋文庫、2014年)、「増淵龍夫『歴史家の同時代史的考察について』」(書評、歴史学研究会 編『歴史学と、出会う:41人の読書経験から』(歴史学研究会/青木書店、2015年)、「張家山漢簡『二年律令』訳注(一)~(一四)」(専修大学『二年律令』研究会共訳注、『専修史学』35~48号、2003~2010年)、「『嶽麓書院藏秦簡(參)』訳注(一)」(専修大学『二年律令』研究会共訳注、『専修史学』59号、2015年)、「馬一虹「遣唐使井真成の入唐時期と唐での身分について」」(小笠原強共訳、『東アジア世界史研究センター年報』4号、2010年3月)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

緒論 問題の所在

第一章 皇帝権力の戸口把握―逃亡規定からみた
 はじめに
 一 吏・民の逃亡
 二 刑徒の逃亡、女子の再逃亡
 三 私奴婢の逃亡
 四 犯罪者の逃亡
 五 徭役・公務・兵役・軍務からの逃亡
 六 国外逃亡
 七 その他関連規定
 おわりに

第二章 前漢代における「首都圏」の形成
 はじめに
 一 前漢初期における「關中」と「郡国制」[高祖~呂后期]
  1 漢王朝の成立と首都長安の選択
  2 『二年律令』にみる漢初における「關中」と諸侯王国
  3 「郡国制」の位置付けについて
 おわりに

第三章 前漢代における「首都圏」の展開
 はじめに
 一 「首都圏」の確立[~宣帝期]
  1 三輔の形成
  2 帝陵徙民政策の展開
  3 三輔と酷吏
 二 前漢後半期の礼制改革[元帝期~]
  1 郡国廟の廃止と陵邑の廃止
 おわりに

第四章 瑞祥からみた漢代の皇帝権力
 はじめに
 一 宣帝の即位状況と瑞祥
 二 前漢代における瑞祥と祭祀・賜与との関連
 三 文帝期の詐言事件にみる瑞祥と儒家思想
 おわりに

第五章 賜与・賑恤政策からみた漢代の皇帝権力
 はじめに
 一 皇帝支配の正当性―賜与と賑恤の背景について
  1 山林薮沢の君主による独占と帝室財政
  2 賜与と賑恤
  3 徳と刑
 二 賜与賑恤の史料上にみる政策変化
  1 賜与・賑恤記事の集計
  2 賜与・賑恤事例についての概観
  3 賜与・賑恤の対象者についての概観
 三 前漢後半期という問題―社会構造の変化と国家の変質
  1 民間の祭祀とその変容
  2 前漢後半期における国家礼制の改革
  3 財政機構の一元化
 おわりに

結論


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