専修大学社会科学研究所 社会科学研究叢書18
社会の「見える化」をどう実現するか 福島第一原発事故を教訓に
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-88125-306-9 C3031
奥付の初版発行年月:2016年03月
福島第一原発事故をめぐる「情報」を取り上げ、情報管理、社会制度、運用実態など、日本社会における「情報」をめぐる課題を「公開」と「秘密」、二つのテーマで考える。
三木 由希子(ミキ ユキコ)
専修大学文学部兼任講師(2016年度~)。
専修大学社会科学研究所客員所員。
特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長。
山田 健太(ヤマダ ケンタ)
専修大学文学部教授。青山学院大学法学部卒業。
<研究分野>新領域法学(言論法(メディア・情報法)、ジャーナリズム、人権法(憲法))。
<研究テーマ>言論の自由
【所属学会】日本公法学会、日本出版学会、日本マス・コミュニケーション学会、国際人権法学会、日本編集者学会、公益社団法人自由人権協会、一般社団法人日本ペンクラブ、NPO法人情報公開クリアリングハウス、特定非営利活動法人放送批評懇談会。
目次
第Ⅰ部 公開 三木由希子
第1章 情報公開制度の胎動と誕生
1 1970~80年代の情報公開制度をめぐる状況
2 自治体における情報公開制度の検討と制定
3 市民社会における情報公開を求める取り組み
4 小括
第2章 情報公開制度の広がりと法制化
1 1990年以降の情報公開制度をめぐる動向
2 情報公開法案の策定と政治の動き
3 情報公開法の成立
4 市民社会における情報公開法制定に向けた取り組み
5 自治体での情報公開制度の制定・改正
6 小括
第3章 福島原発事故と情報公開請求
1 原発事故対応組織と公開の推移
2 福島原発事故に関連する個別の公開請求の状況―内閣府
3 福島原発事故情報アーカイブの試み
第4章 SPEEDIと特定避難勧奨地点と公文書
1 SPEEDIをめぐる情報
2 特定避難勧奨地点の指定をめぐる情報公開
第5章 福島県「県民健康調査」と公文書
1 原発事故による健康への影響と県民健康調査
2 福島県立医大と県民健康調査
3 甲状腺検査と「県民健康調査」
4 福島県「県民健康調査」検討委員会
5 県民健康調査と情報公開、データの利用
6 小括
第Ⅱ部 秘密 山田健太
第1章 言論・表現の自由の現在
1 進む政府の情報コントロール
2 変わる表現の自由の基本ルール
3 言論の自由への影響
第2章 秘密保護法にあらわれる政府の情報隠蔽構造
1 秘密保護法なるものの本質
2 特定秘密保護法の問題点
第3章 「自主規制」という名の言論統制
1 言論の自由をだれが妨げているか
2 メディアにおける「公平公正」とは何か
結びにかえて