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災害 その記録と記憶

災害 その記録と記憶

A5判 254ページ 上製
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-88125-327-4 C1030
奥付の初版発行年月:2018年03月 / 発売日:2018年03月下旬

内容紹介

地震や戦争など繰り返される災害を人間はいかに認識してきたのか、その概念や歴史的過程を、より長い時間軸の中で描き論証する。
考古学、自然地理学、哲学、歴史学と多岐にわたる専門家の論考を集めた好著。

著者プロフィール

田中 正敬(タナカ マサタカ)

専修大学文学部教授。
専門:朝鮮近現代史・日朝関係史。

伊吹 克己(イブキ カツミ)

1949年 北海道函館市生まれ。専修大学文学部人文学科卒。
現在,専修大学文学部教授。
論文に「形而上学批判としての折口学」『専修大学人文科学研究所月報』第163号。「アンガージュマンと美的なるものの行方―サルトルとアドルノ―」『理想』第665号。「アジアという経験―マルローの『王道』をめぐって―」『専修大学人文科学研究所月報』第224号など。

湯浅 治久(ユアサ ハルヒサ)

専修大学文学部教授。
専門:日本中世史。

赤坂 郁美(アカサカ イクミ)

専修大学文学部准教授。
専門:自然地理学(気候学)。

永島 剛(ナガシマ タケシ)

[現職]専修大学経済学部准教授。
[専門]経済史,経済政策史。
「イギリス経済衰退/再生論の動向」鈴木直次・野口旭編『変貌する現代国際経済』専修大学出版局,2012。「20世紀初頭イギリス保険政策における個人主義と団体主義」『専修経済学論集』43巻3号,2009。'Sewage disposal and typhoid fever: the case of Tokyo', "Annales de Demographie Historique," 2004.「19世紀末イギリスにおける保健行政」『経済社会史学』68巻4号,2002。

大矢根 淳(大矢根 淳)

1962年生まれ。
[現職]専修大学人間科学部教授。
[専門]災害社会学・地域社会論・社会調査論。
『復興コミュニティ論入門』『災害社会学入門』(編著)弘文堂,2007。「災害・防災研究における社会関係資本(Social Capital)概念」『社会関係資本研究論集』第1号,専修大学社会知性開発センター/社会関係資本研究センター,2010。「堺と川崎の防災まちづくりを考える―堺市湊西地区と川崎市多摩区中野島町会における「結果防災」をめぐって―」(共著)『周辺メトロポリスの位置と変容』専修大学出版局,2009。「社会学的災害研究の新たな地平―長期的被災地研究への『復元―回復力』概念の導入」『関東都市学会年報』第11号,2009。

高島 裕之(タカシマ ヒロユキ)

専修大学文学部准教授。
専門:考古学(陶瓷器・肥前磁器)。

堀江 洋文(ホリエ ヒロフミ)

[現職]専修大学経済学部教授。
[専門]近世初期ヨーロッパ史。
「スペイン異端審問制度の史的展開と司法権の時代的・地域的特質」『専修大学社会科学研究所月報』547,2008。「フランス革命とイギリス議会」『フランス革命とナポレオン』第7章,未来社,1998。‘The Lutheran Influence on the Elizabethan Settlement, 1558-1563,’ The Historical Journal, Cambridge Univ. Press, vol. 34, no.3, 1991.‘The Origin and the Historical Context of Archbishop Whitgift's 'orders' of 1586,' Archiv für Reformationsgeschichte, Gütersloher Verlagshaus, 83, 1992.

砂山 充子(スナヤマ ミツコ)

専修大学経済学部教授。
専門:スペイン史。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに   田中正敬

Ⅰ 人間と災害

第1章 「災害」と「技術」   伊吹克己
 1.はじめに:「災害」から「技術」へ
 2.「技術」の本質
 3.技術一般と現代技術
 4.自然とピュシス
 5.例示とその意味
 6.Ereignisについて
 7.存在に立ち去られていること Seinsverlassenheit
 8.結論:「技術」から「災害」へ

第2章 日本中・近世における災害対応と「記憶」の形象化   湯浅治久
    ―駿河国「大平年代記」を中心として
 1.はじめに
 2.中世における災害と災害対応
 3.中世災害と年代記
 4.沼津市大平地区の災害と災害碑について
 5.中世大平郷と「大平年代記」について
 6.中世大平郷の開発と災害対応
 7.近世大平村の災害対応と「大平年代記」
 8.おわりにかえて

Ⅱ 自然災害の記録と記憶

第3章 マニラにおける19世紀後半の台風時の気象変化と
    強雨降水特性の長期変化   赤坂郁美
 1.はじめに
 2.20世紀以前のフィリピンにおける台風の記録
 3.マニラにおける降水の季節変化と強雨の長期変化傾向
 4.おわりに

第4章 昭和初期の疫癘   永島剛
    ―川崎における赤痢流行を中心として
 1.災害としての疫病
 2.疫病の歴史研究
 3.近代日本の消化器感染症流行
 4.1935年川崎市における赤痢流行
 5.おわりに

第5章 アルメニア・スピタク地震の復興・生活再建の諸層   大矢根淳
    ―「仮の住処」と「終の棲家」をめぐって
 1.はじめに:アルメニアから/への思い
 2.アルメニア・スピタク地震の被災・復興概況
 3.生活再建事例
 4.仮設住宅の諸相
 5.むすびにかえて:「仮の住処」と「終の棲家」

Ⅲ 人災としての戦争とその「記憶」

第6章 罹災資料としての陶瓷器   高島裕之
    ―古琉球のグスク出土青花罐は何を語るか
 1.はじめに
 2.被熱した陶瓷器
 3.久米島具志川城跡出土の元様式青花瓷
 4.古琉球のグスクでの青花罐の廃棄状況
 5.おわりに

第7章 アイルランドとスペイン内戦   堀江洋文
 1.はじめに
 2.アイルランド旅団の召集
 3.イベリア半島のオダフィとアイルランド旅団
 4.フランク・ライアンの謎
 5.おわりに

第8章 スペイン内戦と子供たち   砂山充子
    ―バスクからイギリスに渡った子供たちを中心に
 1.はじめに
 2.スペイン内戦と子供たちの疎開
 3.スペイン内戦とイギリス
 4.ハバナ号でサウサンプトンへ
 5.イギリスでの生活
 6.スペインへの帰国
 7.結びにかえて:記憶を残す BC37の活動

おわりに   伊吹克己


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