大学出版部協会

 

連合国の対アジア政策と複数の戦後世界占領改革と宗教

占領改革と宗教 連合国の対アジア政策と複数の戦後世界

A5判 690ページ 上製
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-88125-373-1 C3036
奥付の初版発行年月:2022年09月 / 発売日:2022年09月上旬

内容紹介

8月15日を起点とする公式の戦後宗教史ではなく、米国のみならず、ソ連・オーストラリアを含めた連合国の宗教政策を問い直し、沖縄・南西諸島、旧植民地を視野に入れた複数の戦後世界を展望する。

著者プロフィール

中野 毅(ナカノ ツヨシ)

1947年生れ。【専門】宗教社会学、特に国家・政治と宗教の関係について。【現職】創価大学名誉教授。 【著書・論文『宗教の復権』(東京堂出版、2002年)、「戦後宗教史と平和主義 の変遷」、堀江宗正編『宗教と社会の戦後史』(東京大学出版会、2019年)など。

平良 直(タイラ スナオ)

1964年生れ。【専門】宗教学。【現職】倫理研究所倫理文化研究センター専門研究員。 【著書・論文】『世界の民衆宗教』(共著、ミネルヴァ書房、2004年)、『心と体』(共著、倫理研究所、2021年)など。

粟津 賢太(アワヅ ケンタ)

1965年生れ。【専門】宗教社会学・宗教人類学。【現職】上智大学グリーフケア研究所客員研究員・人材養成講座講師。 【著書・論文】「なぜ私たちは黙祷するのか?―近代日本における黙祷儀礼の成立と変容」(『シリーズ戦争と社会5 変容する記憶と追悼』共著、2022年)、岩波書店、『記憶と追悼の宗教社会学―戦没者祭祀の成立と変容』北海道大学出版会、2017年)など。

井上 大介(イノウエ ダイスケ)

1971年生れ。【専門】文化人類学。【現職】創価大学文学部教授。 【著書・論文】「メキシコにおける文化人類学の受容と発展」(『ソシオロジカ』33巻(1・2号)、2009年)、「メキシコ・テピートのサンタ・ムエルテ信仰」(『現代宗教』国際宗教研究所編、2011年)など。

マーク・R・マリンズ(マーク アール マリンズ)

1954年生れ。【専門】宗教社会学∙日本研究。【現職】オークランド大学教授。 【著書・論文】Christianity Made in Japan: A Study of Indigenous Movements (University of Hawai‘i Press, 1998); Yasukuni Fundamentalism: Japanese Religions and the Politics of Restoration (University of Hawai‘i Press, 2021).

岡﨑 匡史(オカザキ マサフミ)

1982年生れ。【専門】日本近代史、比較政治学。【現職】(一社)日米アジア研究所常務理事。 【著書・論文】『日本占領と宗教改革』(学術出版会、2012年、大平正芳記念賞特別賞受賞)など。

アネメッテ・フィスカーネルセン(アネメッテ フィスカーネルセン)

デンマーク生れ。英国と香港で育つ。【専門】社会人類学・日本の文化・政治・宗教・ジェンダー。【現職】創価大学文学部准教授。 【著書・論文】Religion and Politics in Contemporary Japan: Soka Gakkai Youth and Komeito (2012) Routledge; ‘Genderism’ vs. ‘Humanism’: Implementing Gender Equality Within Soka Gakkai-Japan, Religions, 13(5) 1-34, May 23, 2022; The Soka Gakkai Practice of Buppō and the Discourse on Religion in Japan, Religions 13(2) 1-27, Feb 14, 2022 など。

田村 恵子(タムラ ケイコ)

1955年生れ。【専門】文化人類学、日豪交流史。【現職】オーストラリア国立大学アジア太平洋学部名誉上級講師。 【著書・論文】『戦争花嫁 ミチ』(梨の木舎、2022年)、「シドニー湾特殊潜航艇攻撃をめぐる日豪の記憶とその変遷」(『シリーズ戦争と社会5 変容する記憶と追悼』共著、岩波書店、2020年)など。

宮川 真一(ミヤカワ シンイチ)

1967年生れ。【専門】国際関係論、ロシア地域研究。【現職】創価大学・八洲学園大学ほか非常勤講師。 【著書・論文】『ロシアの「国民正教」』(スラヴァ書房、2018年)、「戦後初期のロシア正教会における『戦争と平和』像」(『ロシア・東欧研究』47号、ロシア・東欧学会、2019年)など。

大澤 広嗣(オオサワ コウジ)

1976年生れ。【専門】宗教学、宗教法、アジアと日本。【現職】文化庁宗務課専門職。 【著書・論文】『戦時下の日本仏教と南方地域』(法藏館、2015年)など。

田島 忠篤(タジマ タダアツ)

1954年生れ。【専門】宗教社会学。【現職】公益財団法人モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所客員教授 【著書・論文】Tajima, Tadaatsu 2007, An Anthropological Study of the Religions of Urban Migrants from the Amami Islands with Special Reference to Omoto, Soka Gakkai and Catholicism, Doctoral thesis for University of London, King’s Coll ege.  「離島奄美大島における宗教とトランスナショナリズム」(共著、『宗教研究』日本宗教学会、第九四巻、第二輯、2020年)など。

小林 和夫(コバヤシ カズオ)

1966年生れ。【専門】歴史社会学、戦争社会学、インドネシア地域研究。【現職】創価大学文学部教授。 【著書・論文】『「伝統」が制度化されるとき―日本占領期ジャワにおける隣組』(近刊、春風社)、「大東亜共栄圏構想と国民のアジア語学習―馬来語の事例」(『社会学評論』69巻3号、2018年)など。

白 恩正(ペク ウンジョン)

1974年生れ。【専門】教育史学、比較教育。【現職】帝京大学外国語学部助教。 【著書・論文】「朝鮮総督府発行『初等地理書』と田中啓爾」(『南洋群島・南方占領地、満州教育史研究の蓄積と課題』植民地教育史年報23号2021年3月)、「「科学性」から「政治性」重視へ変貌する日本統治下朝鮮の地理教育」(佐藤広美・岡部芳広編『日本の植民地教育を問う―植民地教科書には何が描かれていたのか』皓星社、2020年10月)など。

西村 明(ニシムラ アキラ)

1973年生れ。【専門】宗教学、文化資源学、島嶼研究。【現職】東京大学准教授。 【著書・論文】『戦後日本と戦争死者慰霊―シズメとフルイのダイナミズム』(有志舎、2006年)、『近代日本宗教史』全六巻(共編、春秋社)など。

藤井 健志(フジイ タケシ)

1954年生れ。【専門】宗教学、日本近代宗教史。【現職】東京学芸大学名誉教授。 【著書・論部】『近代国家と仏教』(共著、佼成出版社、2011年)、「日本統治時代の台湾における仏教系新宗教の展開と普遍主義」(『アジア遊学』222、2018年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 論 編者

第一部 アメリカおよび連合国による占領と戦後処理―日本本土と日本人

第一章 戦後宗教史再考―戦後世界の形成と「忘却された宗教史」 中野毅
第二章 占領下における宗教―神道とキリスト教に対するSCAP政策の衝撃 マーク・マリンズ
第三章 日本敗戦と教育勅語 岡﨑匡史
第四章 「天皇問題」と英国外務省―全体主義国家としての日本と「信教の自由」 アネメッテ・フィスカーネルセン
第五章 日本人捕虜死者たちの戦後―豪カウラ日本人戦争墓地の設立と諸問題 田村恵子
第六章 ソ連の対日占領政策と天皇制―『日本新聞』の内容分析 宮川真一
第七章 日本占領をめぐるアメリカ人類学の動向―宗教理解に注目して 井上大介

第二部 南西諸島の戦時と戦後

第一章 米軍政による南西諸島統治の背景と変遷 中野毅
第二章 米軍政下における南西諸島の宗教行政と神社 中野毅
第三章 沖縄における米軍初期占領期の宗教政策とキリスト者 平良直
第四章 米国施政下における琉球政府の宗教制度 大澤広嗣
第五章 奄美群島における宗教―米軍政期と本土復帰前後の変遷 田島忠篤

第三部 日本の占領地・旧植民地統治と戦後

第一章 日本占領期ジャワにおける「喜捨」の制度化―バンドゥン県のバイトゥル・マル(baytoel-mal)を中心として 小林和夫
第二章 米軍政期韓国におけるプロテスタントと歴史清算 白恩正
第三章 ミクロネシアにおける米軍占領期・国際連合信託統治前期の宗教政策 西村明
第四章 台湾における植民地統治と宗教政策 藤井健志

付 論

日本占領と公文書―フーヴァー研究所東京オフィスを事例として 岡﨑匡史
解題―「占領と宗教」研究における一九九〇年代以降の動向 粟津賢太


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。