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自文化と異文化の理解をめざして異文化コミュニケーション

異文化コミュニケーション 自文化と異文化の理解をめざして

A5判 230ページ 並製
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-88125-375-5 C3036
奥付の初版発行年月:2023年01月 / 発売日:2023年01月中旬

内容紹介

異文化コミュニケーションとは、異なる文化やコミュニケーション・スタイルを持つ相手とかかわり相手を理解することであり、それと同時に自身の視野や考え方を広げていくことも意味します。本書はそのような異文化コミュニケーションあり方を目指し、異文化コミュニケーションに関心のあるすべての人を対象に、筆者の体験も含めた身近な例を数多く取り上げ、見える文化/見えない文化、言語コミュニケーション/非言語コミュニケーションの側面から異文化コミュニケ―ションを論じます。

著者プロフィール

上村 妙子(カミムラ タエコ)

聖心女子大学文学部卒業後、会社勤務を経て、Indiana University of Pennsylvania.Ph.D.in Englishを取得する。
明海大学外国語学部英語英米文学科専任講師を経て、現在専修大学文学部英語英米文学科教授として、ライティング、異文化コミュニケーション、応用言語学に関連する授業を担当している。
著書には、Teaching EFL Composition in Japan(専修大学出版局、2012)、EFL Grammar for Japanese Students and Teachers(同、2020)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第1部 文化を考える

第1章 異文化コミュニケーションと文化
1.1 「異文化コミュニケーション」を考える
1.2 文化とは
1.2.1 文化の種類:伝統文化,高等文化,一般文化
1.2.2 文化の島と「見える文化」・「見えない文化」
1.2.3 一般文化の特徴
1.2.4 上位文化と下位文化(共文化)
1.2.5 精神文化を支える世界観
1.2.6 文化比較に関する注意点
1.3 一般文化における衣食住に関するライフスタイルの比較
1.3.1 衣
1.3.2 食
1.3.3 住

第2部 言語コミュニケーションを考える

第2章 言語コミュニケーション(1):語(句)のレベル
2.1 コミュニケーションとは
2.2 言語によるコミュニケーション
2.3 語(句)のレベル
2.3.1 対応しているもの
2.3.2 対応していないもの

第3章 言語コミュニケーション(2):文のレベル
3.1 日本語と英語の文型
3.1.1 「ナル言語」と「スル言語」
3.1.2 コトとヒト
3.1.3 「ある」(存在)とhave(所有)
3.1.4 動作主の不在と動作主の明示
3.1.5 プロポーズのことば
3.2 受け身
3.3 オノマトペを使った文
3.3.1 オノマトペとは
3.3.2 オノマトペの捉え方
3.3.3 音象徴
3.3.4 オノマトペの分類
3.3.5 オノマトペの表現の仕方
3.3.6 オノマトペの使われ方
3.3.7 オノマトペの捉え方に対する違いの原因
3.3.8 日本語におけるオノマトペ
3.4 授受動詞
3.4.1 「あげる」と「くれる」
3.4.2 英語との比較
3.4.3 「もらう」
3.4.4 授受動詞と目上・目下
3.4.5 授受動詞の補助動詞としての機能
3.4.6 まとめ

第4章 言語コミュニケーション(2):文章のレベル
4.1 歯医者に行った少年が書いた文章:感動と記録
4.2 4コマ漫画による小学生の作文:時系列と因果律
4.3 奨学金への応募の手紙:懇願型と根拠提示型
4.4 履歴書:形式重視型と能力重視型
4.4.1 履歴書(1)
4.4.2 履歴書(2)
4.4.3 履歴書(3)
4.5 料理のレシピ
4.6 文章における視点
4.6.1 常体と敬体
4.6.2 時制

第5章 言語コミュニケーション(4):書き言葉と話し言葉の関連
5.1 O.Henry の「マギの贈り物」から
5.1.1 発話者の明記
5.1.2 呼称と文末詞
5.2 呼びかけ表現

第3部 非言語コミュニケーションを考える

第6章 非言語コミュニケーション
6.1 非言語コミュニケーション研究の概要
6.1.1 非言語コミュニケーション研究が誕生した背景
6.1.2 非言語コミュニケーションの研究分野
6.1.3 非言語コミュニケーションの重要性
6.1.4 非言語コミュニケーションの普遍性と固有性
6.2 非言語コミュニケーションのさまざまな分野における日本と海外の文化の比較
6.2.1 パラ言語学との関連から
6.2.2 身体動作学との関連から
6.2.3 近接空間学との関連から
6.2.4 時間概念学との関連から
6.2.5 ナップによる分類
6.3 学校や社会における非言語コミュニ―ケーションの重要性

第4部 言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションの関係を考える

第7章 言語コミュニケーションと非言語コミュニケーション
7.1 言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションの一体化
7.2 日本的なコミュニケーション・スタイルの特徴
7.2.1 座る位置
7.2.2 映画と横並び
7.2.3 視点の共有:共感視
7.2.4 コマーシャルに見る日本的コミュニケーション
7.2.5 ルポルタージュ番組に見る共感視
7.2.6 絵画に見られる「はかないもの」の解釈の違い
7.2.7 日常にみる視点の共有
7.2.8 歌詞にみる視点の共有

第8章 まとめ:異文化コミュニケーションを学ぶ

おわりに
謝辞
参考文献
索引


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