本書は弘前大学出版会からの「知」の発信、かつ、社会に向けての「問題提起」の書として刊行された「弘大ブックレット」の第１号です。1945年8月15日の敗戦から、大日本帝国憲法・教育勅語の廃止と、日本国憲法の制定、教育基本法の公布を経て、新制大学の発足に至る1950年前後までの時期は、日本の社会全体にとっても、教育界にとっても、文字通り「激動の時代」であり、「転換の時代」であった。本書は、この転換の時代の最中で、旧制師範学校から新制教育学部に改編されて、新たな歩みを開始していった1945年～51年当時の青森師範学校・弘前大学教育学部の卒業式・創立記念式における文部大臣・学校長・県知事・父兄・卒業生・在校生たちの式辞・祝辞・答辞を、原文のまま紹介し、詳しい解説を付したものである。敗戦直後に匹敵する「転換の時代」を迎え、同じく「時代の激動」のなかにある今日、多くの方々に一読をおすすめしたい。