説明文のマクロ構造把握 国語教育・日本語教育への指導・応用に向けて
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-947553-53-9 C3081
奥付の初版発行年月:2011年11月 / 発売日:2011年11月中旬
国語教育や日本語教育の実践では、多くの指導の工夫が行われているが、両者の連携は十分とはいえず、更なる共同研究や実践の場が待たれる状況にある。そこで本研究では、執筆者の両現場での経験を生かし、双方に有益な成果を求めるという立場から分析を行う。両領域での教育現場の実態をふまえながら、指導への応用を念頭に、言語学的枠組みを用いて説明文を分析し、その特徴や文章構造を明らかにする。その際、今日までの日本語学における文章論研究に加え、欧米におけるテキスト分析の成果を参考にし、それらの手法を積極的に取り入れることで、新たな角度からの文章分析を進めていく。
具体的には、まず、説明文の特徴について言語学的に検討を行い、「のだ」表現などを中心にそのジャンル特性を探る。次にその文章構造の認定を行うが、そこでは、日本語の文章の実際をふまえ、新たに「中核文」という言語単位を提案する。さらに、こうした手法を言語教育の実践に取り入れる方策として、文章構造を端的に示す図式化について考察を行う。
以上のように、本研究は、言語理論に基づく指導の方法論の構築を目指す新たな試みである。
立川 和美(タチカワ カズミ)
1989年 お茶の水女子大学文教育学部卒業
1998年 東京大学大学院総合文化研究科、博士課程終了、学術博士
2008年~流通経済大学社会学部准教授
目次
1.テクスト分析の歴史的展開
2.テクストにおける文脈展開
3.国語教育・日本語教育における説明的文章
4.説明文のジャンル特性
5.説明的文章における「のだ」文の機能
6.説明文における「中核文」の認定
7.説明文のマクロ構造の認定
8.説明文のマクロ構造認定のケーススタディ
9.説明的文章に見られるマクロ構造
結び―本研究の成果と今後の課題―